13 竜殺しVS竜

「相手はドラゴンタイプ。『竜殺し』の二つ名を持つ俺にふさわしい相手だろう」


 と、シュナイド。


「ふむ。では、頼めるか」

「あなたに見てもらえると思うと、気合いが入るな」


 シュナイドがニッと笑う。


「ウィナス武術大会を終えてから、俺が何もしていなかったわけではないことを――ぜひ見てほしい」

「ああ、楽しみだ」


 うなずく私。


「武術大会ではあなたとの力の差を感じ取った。その差は簡単に埋められるものではない――」


 シュナイドが語る。


「だが、俺はあの試合であなたに改善点をいくつも指摘していただいた。そこから導き出した技が一つある」

「ほう」

「出来立てだ。ちょうどいい実戦テストになる」


 言って、シュナイドは前に出る。


 相手は宙に浮き、蛇のように細長い体を揺らめかせている。


 竜といっても四つの足と巨体を備えたタイプではなく、蛇状の体に翼を備えた、主に東方大陸に生息しているタイプだ。


「さあ、いくぞ!」


 シュナイドが突進した。


 最高速度で突進し、渾身の一撃を叩きつける――固有スキル【撃閃げきせん】。


 まずはその得意技を繰り出す。


 がああああっ!


 しかし、さすがにフロアボスだけあって竜は鋭い尾の一撃で、シュナイドの【撃閃】を正面から弾き返した。


「やるな! すさまじいパワーだ――」


 シュナイドがうなる。

 いくら彼の膂力が人間離れしているとはいえ、竜を相手に正面から挑むのは無謀である。


「ならば、次は新技だ。名を――【竜爪撃りゅうそうげき】」


 シュナイドが剣を構え直した。


「これで、決める」


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