15 今後のこと
私はルナリアとともに、今後の魔族大侵攻の可能性について説明した。
王もよく理解してくれて、すぐに対魔族用の防備を整えると確約してくれた。
さらに諸外国とも連携し、一致団結して魔族の脅威に立ち向かうつもりだという。
大国であるキラルが音頭を取ってくれれば、他国も追随しやすいだろう。
頼もしい限りだった。
そして――。
「あたしはガドレーザに戻るよ」
ルナリアが言った。
「母国の防備を整えないとな。魔族の脅威から民たちを救ってみせる」
「君がいれば、きっと大丈夫だ」
「兄上の一派に足を引っ張られないか、心配だが……それもなんとかしてみせる」
言って、ルナリアは私を見つめた。
「以前にも誘ったが、どうだ? あたしの国に来ないか」
「……二度も誘ってもらって心苦しいが、私は諸国を回るよ」
私は頭を下げた。
「いや、いちおう聞いてみただけだ。お前の返事は分かってたさ」
ルナリアが笑う。
「だけど、いつか……我が国に迎え入れたいな。そう、あたしの傍に――」
「ん?」
「い、いや、なんでもない……っ」
慌てたように首を左右に振るルナリア。
そんな彼女を、メリルがジト目で見た。
「……姫様、目がハートになってませんか?」
「な、なってないぞ?」
「ガーラ殿の活躍ぶりに、惚れてませんか」
「ほ、ほ、惚れてない……っ」
言いながら、彼女の顔は真っ赤だった。
「ふふ、やはり姫様もお年頃……」
メリルは悦に入っているようだった。
――こうして、私はルナリアやメリルと別れた。
さて、次にどうするか。
とりあえずは、
「ルーファスが助力してくれないか、聞いてみるか」
私は彼の元を再度訪れることにした。
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