キョウも我等は人と成す

一華ボタン

プロローグ

 どこかでなにかの鳴き声が聞こえる。風が吹き、草木が揺れる音がする。


 我らは今日、何を成す?


 我らは今日、何に成る?


 恐れるなかれ。道をゆけ。我らは今日も、道をゆく。


 この狭く、息苦しい世の中を、ゆっくりと歩いていく。


これは、我らの物語。人に成れない我らの物語。


結城紺那ユウキカンナ夜桜永遠ヨザクラトワと出会い、意思は動き出す。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ずっと生きづらいと思っていた。


俺は少しだけ、他の人とは違うのだと感じていた。

人とは興味がまるで違う。考え方がまるで違う。

人と姿形は同じ、だけども見ている景色は違った。


多分、というか絶対に“普通”の人には理解なんて出来やしない。わかるわけがないんだよ。


「紺那くん、準備はいいですか?」

「ああ、いつでもいける」

「では、いきましょうか」


さて、キョウも我らはヒトと成ろうか。

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