side友人 ー 3

《白金聖也》



 ヨルとする食事は楽しい。


 僕一人では思いもしないことを言ってくる。



 女子への恐怖感や嫌悪感……そんな話をするつもりだった。

 悩んで悩んで僕は女性を好きになることはないかもしれないとまで考えていた。



 唯一、心が許せて、女性として接することが出来るのが姉さんだけ……



 だけど、ヨルから返ってきた答えは……



「セイヤ……おっぱい好きか?」



 えっ?何それ?そんなこと考えたこともないから知らないよ。



 だいたいなんでオッパイ?胸でいいでしょう。



「急に何言っているんだよ!」


「う~ん。難しく考え過ぎてると思うんだよな。


 確かに、女子の方が多くて男子の方が少ない。

 それは事実で、女子を恐いと思う男子は多い。


 だけど考えてみろよ。


 女子って良い匂いがするだろ?

 雰囲気も柔らかくて、一緒にいて幸せって思うだろ?

 女子といることを楽しめば、それだけで幸せになれるんだよ。


 結局さ……男には無いものを求めてると思うんだよ」



 なんでそんな真面目な顔で、すっごく!くだらないことが語れるのかな?



 無駄に顔がいいから逆に面白い。



「それがおっぱいが好きってことだと思うの?」


「ああ、だから聞く。セイヤはおっぱい嫌いか?」


「いや~嫌いとか好きとか考えたことすらないよ」




 その前に女の子が好きかを考えるでしょ?


 身体についてなんか考えたこともないよ。


 しかも一部分だけって……ヨルってやっぱり変だ。




「俺は常々思ってたんだよ。


 どうして、男の本能が失われたのかってな。


 男は女が好き。


 単純な話でさ。それでいいって俺は思うんだよ」



 ドン!と力強くデザートの容器をテーブルに置く。


 物凄く力説してるけど、メッチャバカなこと言ってる。



「セイヤ!お姉さんを口説け!」


「えっ!急に何?」


「お姉さんに好きと伝えて、胸を見せてもらえ」



 全然意味がわからない!


 どうして胸を見せてもらうの?


 そんなの嫌がるに決まってるじゃん。



「告白するのは話の流れ的に分かるけど。どうして胸を見せてもらうのかわからないんだけど!」


「見せてもらえば分かる!」



 ヨルは自信満々の決め顔で……「男なら……それを求める!」



 うわ~こいつバカだ。




「ヒカリさんがお前の好きを受け入れてくれるなら全てを見せてくれるさ」




 やっぱり……こいつは面白い。



「あはははははははははははははははっっはははははっははははははは!!!!!!」




 僕は生まれて初めて爆笑したと思う。




「ハァ~僕が悩んでたのが本当にバカらしくなるよ。なんだよ!真面目な顔でオッパイが好きかって。面白過ぎ。ハァ~ねぇ。もっと女の人のいいところ教えてよ」


「おう。それなら一晩中でも語れるぞ」




 ヨルは本当に女性の素晴らしさについて語っていた。

 それは大好きな物について語る人のように楽しくて、熱量があり、僕はただただ聞くだけだった。



 それでも、一つ一つを聞いている間にそういう考え方もあるのかと感心させられてしまう。



 例えば、女性の身体は柔らかくて良い匂いがする。



 どれだけ柔らかいかと言えば、頬っぺたは弾力が会ったり、二の腕はマシュマロみたいだったり、ふとももはスベスベで気持ちよかったり、一つ一つ柔らかさの良さについて語るヨルは本当に楽しそうだった。



 一番熱弁していたのはやっぱり……オッパイだった。



「ヨルがオッパイ星人だったなんてね」


「男は絶対みんなオッパイ星人になる!セイヤも触れてみれば理解できるだろうな!」


「はいはい」



 楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうものだ。



 ヨルと別れた僕は家に帰って姉さんの部屋をノックする。



「今日は遅かったけど楽しかったみたいね」


「分かる?」


「ええ、今日の朝まで暗い顔をしていたセイヤの表情が明るくなっているもの。それで?ヨル君とどんな話をしたのかしら?」



 ずっと心配して見ていてくれたんだ。


 やっぱり……僕は姉さんが好きだな。



「姉さん」


「何?」


「僕ね。姉さんが好きなんだ」


「えっ?それって……男女としてと言うことかしら?」


「うん。困るよね?」



 俺の告白にヒカリ姉さんは……少しの沈黙と目を閉じて思案する表情を見せる。



「……本気……なのね?」


「ああ。本気で姉さんを好きだよ」


「わかったわ……セイヤ。私もセイヤが好きよ」



 そう言って姉さんは俺を抱きしめてくれた。



 ヨルが教えてくれたように、姉さんは柔らかくて良い匂いがして安心する。



「姉さん。一つお願いがあるんだ」


「何?もう、私はセイヤの彼女だから。なんでも言って」


「うん。姉さんの裸が見たいんだ」


「ふふ、それぐらい、いくらでもいいわよ」



 姉さんは着ていたワンピースを脱いでいく。




 白い肌に僕と同じ白銀の髪が、明かりに照らされて綺麗に反射する。



「どうかしら?」


「触ってもいい?」


「……どうぞ」



 姉さんは、恥ずかしそうにしながらも肌に触ることを許してくれた。


 僕はゆっくりと手を伸ばした姉さんのオッパイに触れる。



 僕の指が埋まり、形を変えるオッパイの感触は柔らかいだけじゃなくて弾力があって気持ちいい。



「あっ!」



 僕は気付けば夢中になって姉さんをベッドを押し倒していた。



 姉さんは僕のすることを全て受け入れてくれた。

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