第36話 裸の付き合い

海から上がって、疲れた俺は自室に戻って眠ってしまっていた。


扉をノックされる音で目が覚めて扉を開く。



「は~い」


「あっ、ヨル。寝てた?」



扉の前にはセイヤが立っていた。

欠伸をしているところを見られたが、セイヤなら問題ないだろ。



「ああ、ちょっと疲れたみたいだ」


「もうすぐ夕食前だから、お風呂にいかない?」


「風呂?」


「うん。ここって温泉が流れてるんだって。男湯と女湯も分かれてるらしいから安心だよ」



何が安心なのか、そこは混浴でいいじゃないか!くっ!



「温泉嫌いだった?」


「あっいや。気にするな。温泉だったな行こうか」


「了解。じゃあ用意して」



セイヤに促されるままに下着と着替えを持って温泉へ向かう。

タオルやシャンプーなどは最高級品質の物が用意されている。



「これは凄いな」



大きな露天風呂ではないが、大理石で作られた浴槽は5、6人が入るには十分な広さがあり、洗い場が二つ並んでいる。



「ヨルの体も凄いよね」



露天風呂に驚いていると、後ろから入ってきたセイヤが俺の身体に視線を向けていた。



「そうか?鍛えてはいるが、まだまだだぞ」


「いやいや、そんなムキムキな人、見たこと無いって」



最近は身長が伸び悩んでいるので、185cmで止まってしまっていた。

セイヤに指摘されて、この世界の男子は筋肉の発達がイマイチなのを思い出す。

自分の体もボリュームに欠ける気がするのだ。


洗い場の前にある鏡を見ながらポーズをとる。



「ふん」


「何しているの?」


「いや、視線を感じたからポーズをとってみたんだ。まぁセイヤしかいないんだけどな。でも、俺が思うよりも筋肉にボリュームが足りないな」


「え~十分でしょ。僕なんてヨルに比べたらメッチャ細いよ」



顔面が美少女で、身体は細くて色白。

大きなタオルを体に巻いている姿は女子にしか見えない。



「確かに細いな」



ちょっと恥ずかしい気持ちになるのは何故だろうか?



「僕も筋肉付けた方がいいかな?」


「お前はそのままでいいんじゃないか?体質とか、向き不向きってのがあるからな」



美少女のような顔をしたセイヤが筋肉モリモリで現れたら違和感しかない。



「む~ヨルはズルいよ。身長も僕より10センチ以上高いし、体も大きいし、筋肉もあって」



いやいや、俺はお前みたいな美少年系で女子から守ってあげたいと言われる主人公になりたかったぞ。



「そうか?まぁ無いものねだりってやつだな」



いい加減に体を洗って湯につかる。

そうしている間にハヤトとヨウヘーがやってきた。



「お疲れ」



俺が声をかければ二人とも疲れた顔で片手を上げる。



「ヨウヘーは作曲してたからわかるけど。ハヤトまで疲れてるのはなんでだ?」


「僕は……ちょっと、カホ先輩に付き合わされてな」


「カホ先輩?」


「ああ、二人が海に行った後。僕は部屋に帰って寝ていたんだ。1時間ぐらい休んで、目を覚ました後は本を読んでいたんだ。そしたら部屋をノックされて、カホ先輩がやってきた」



ロリ体型のカホ先輩はどうやら文学少年であるハヤトを狙ったようだ。

お茶を一緒にしようと誘われて、断ることができないハヤトはカホ先輩に手を引かれる形でラウンジに行ってメイドさんにお茶屋とお団子をご馳走になったそうだ。


ハヤトは本以外にも和菓子が好きだったので、お菓子は美味しくて嬉しかった。

ただ、カホ先輩のマシンガントークを聞いているだけで疲れてしまったそうだ。



「なるほどな。ヨウヘーは作曲できたのか?」


「それが、俺のとこにはキヨエさんとモガミハルミさんが来てさ。まぁ二人とも楽器の演奏が出来たから、二人に演奏してもらいながら作曲したんだけど。人に何かを伝えるって大変だわ。あれはムズイ」



キヨエさんがピアノ。

ハルミさんがギターやベースが引けたそうで、三人のセッションしながら作曲を行ったそうだ。


普段はパソコンで創作活動をするヨウヘーとしては、人に伝える行為は苦戦したそうだ。



「まぁ今回は合宿所をレイカ会長に借りてるからね。みんなある程度の接待は頼むね」



セイヤは苦笑いを浮かべながら、三人は手を上げて答える。



「まぁ実際、レイカ先輩は凄いな」



俺は昼に見たレイカ先輩の白ビキニと巨大な双丘を思い出してしまう。



「そうだね。藤堂財閥と言えば、この国でも有数の名家だからね。いくら男が少なくなったからって、おいそれと会える人じゃないからね」


「だな。女性を蔑ろにしている奴らも、レイカ先輩には逆らわないようにしてるしな」



セイヤとハヤトが雲の上の存在を見るように露天風呂から見える星空を見上げる。



「疲れたけど……ここに来て、いい刺激はもらったよ」



ヨウヘーは疲れながらも環境の変化を楽しんでいるようだ。



「明日からは、体力作りで森さんたちにも協力してもらうから。ハヤトは頑張ってくれよ」


「ああ。最近は身体を動かすことに慣れてきたから楽しくなってきてる」



夏休み前にジム通いをするようになって、ハヤトもしっかりとした体付きになってきている。

応援団を始めた当初は、セイヤよりも細かった身体が、今ではセイヤと変わらない程度には成長していた。少しハヤトの方が身長がある分大きく見える。



「僕も明日からは筋トレがんばろ」


「俺は運動、嫌だ~」


「ヨウヘーも最低限は体力つけとけ。歌うときに腹筋とか肺活量はいるだろ?」


「うへぇ~」



四人で風呂に入ったことで、今後の話が出来て良かった。



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あとがき


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