ふるさとが好き

 今日はふらっと地元に帰るやつをやっていました。ふだんカップ麺たべまくる食生活を送っているので母の料理が100000000000000倍おいしかった。皿うどん、豆腐とわかめの味噌汁、春雨サラダ、ピーマンの肉詰め、焼き鮭、噛みしめて噛みしめて食べた。うますぎた……これに比べたら山岡さんの鮎はカスや。いまは実家の最寄り駅までの帰り道を歩いています、夜。


「にんげんのははおやのてりょうり、おいしかったなー・・・!」

「そうでしょ。おわりちゃんが世界を滅ぼす時、地元だけは残しといてくんね?」

「は? ほろぼすが・・・」


 地元は、まあまあ田舎だ。夜道は割と暗い。涼しい風に吹かれながら、おれと、終焉の女神おわりちゃんは歩く。遠くに駅が見える。プラットホームの眩しい光。


「でもこの景色は悪くないでしょ? おれたちは暗闇にいて、だけど行く先に光が待ってる」

「さらうどんまたたべたいー・・・」


 おれはスマホを取り出して、夜空の下でかがやく駅を写真に撮った。


「離れてから故郷のことを好きになったなー」


 おれは、おれがいま住んでいるごみごみとしたあの街のことが嫌いだ。だけど、この街を愛せるようになったみたいに、いずれは和解の時がくるんだろうか?


「この街が好きだな……」

「あ・・・いぬのうんち」

「おわりちゃんにもこの街のことを好きになって欲しいよ」

「いや、ぞうのうんちかも・・・」

「象のうんちはもっとダイナミックだよ」

「そうなのか・・・? ぼくにとって、せいぶつは、すべてがちっぽけだから、くべつがつかんな~・・・」

「ベンビボンブンベのうんちも?」

「べんびぼんぶんべ!? なんだそれ・・・いきものなのか!?」

「えっベンビボンブンベ知らないの? 神なのに? 遅れてるな~」

「ど、どんないきものなのだ・・・!?」

「体長、1光年」

「!?」

「主食、銀河」

「!?!?」

「個体数、1000京」

「うそついてる?」

「あっ、ベンビボンブンベだ!」

「ええっ! どこ!? どこいる!?」


 おれはおわりちゃんの胸に拳をトンと当てた。


「オメーの、心ン中」

「は?」


 ドェ~~~~~~~~~~~~~~~~ン


 テッテッテ♪ テッテレテッテ♪ テッテレテッテ♪ テッテレテ♪

 テッテッテ♪ テッテレテッテ♪ テッテレテッテ♪ テッテレテ♪

 テッテレッテレッテー↑↑♪(パッポーパポッパ)

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引用文献

gatto.“イチローのレーザービームで人類滅亡”.ニコニコ.2007-08-10.https://www.nicovideo.jp/watch/sm811361,(参照 2022-06-05)

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