第32話天界&裏話 ネタバレあり ⑮

【 ロキside 】


 ……………ムゥゥゥ いったい、俺は どうなったんだ…………


 記憶をたどってみると……………そうか、…………負けたのか、俺は………


 クックックックッ 面白い、面白いぞ ! ユリリンよ。

 向こうの世界北欧神話では、退屈していたが………

 こんなに、俺を楽しませてくれる存在がいるとは この世界に来たかいが、あったというもんだ !


「 フッ フッ フッ フッ ハハハハハハ 、 最高だ 最高の娯楽だよ、ユリリン。 あの大魔王とは、楽しめそうだ ! アッハハハハハハハ 」


 俺が機嫌良く笑っていると、ギリシャ神話の友神ゆうじんである

 軍神 アレスがやってきた。


 アレス

「 よっ ! ひま

 どうやら、ご機嫌なようだが 何か良い事でもあったのか ? 」


 ロキ

「 ああ、お前達アレス達が ここに入り浸っている訳が わかったよ

 この世界は、実に面白いな。 気に入った 気に入ったぞ !

 俺もお前達と一緒に、この世界で遊ばせて貰おう ……………

 ところで、何故 お前達は『幼児神 や 幼女神』の姿をとったままなんだ?」


 アレスが、黙ったまま『 手鏡てかがみ 』を渡してきた。


 何だ、 これで『俺を確認しろ 』とでもいうのか ?

 さては、あの大魔王………ずいぶんと腹黒そうだったから、俺の顔に『落書きらくがき』でもしたのか ?

 フン、 幼稚なイタズラにガッカリだ ! 俺だったら…………


 手鏡を見つめた先に写った姿は…………………



【 アレスside 】


「 なっ なっ なっ なんだぁーーー これはぁーー ! 」


 ロキが叫んでいる。


 お前ロキは、あの『悪魔大魔王』を舐めすぎだ。

 あの性悪大魔王と比べれば、淫乱二股女神アフロディーテなんて 可愛いもんだぞ !





 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



【 アレスside 】



 ロキが手鏡を、まじまじと見ている。


 ロキ

「 俺、可愛いい ! 」



 ズコォーー! 思わず こけてしまったではないか !


 そういう反応は予想外だぞ、我が友よ。


 ロキ

「 冗談だ ! I'm just joking 冗談だよ(※ロシア語がわからないので英語にしますね)

 ところで『神力』を、ほとんど感じられないせいか

 元の姿に戻れないんだが、理由を知っていたら教えてくれるだろうか ?」


 俺達、ギリシャ神話と北欧神話のセンスは似て非なるモノだな。


 アレス

「 お前が気絶している間に『 神力 』を封印されたんだよ 」


 ロキ

「 いかに大魔王でも、人間ごときに『 神 』である俺が封印できる訳がなかろう ! 」


 アレス

「 確かに、そうだ。 だが人間の『 知恵 』は恐ろしいぞ !

 お前を封印したのは『 グレイプニル』と『 ネビュラ・チェーン』と『 大魔王の超魔力 』だよ 」


 ロキ

「 『 グレイプニル』だとぉー !

 何故、あの人間大魔王が『アースガルド』の秘宝を所持しているのだ」


 アレス

「 お前が、来る前に北欧神話の『 オーディン 』に根回しをしてたみたいだぞ。 ワルキューレのターニャファニャという戦乙女が常駐してたみたいだぞ」


 ロキ

「 クッ、 オーディンの◌じじいめ !……………

『 ネビュラ・チェーン』とは何だ ? ギリシャ神話の秘宝に聞き覚えがないんだが ? 」


 アレス

「 ああ、『 ネビュラ・チェーン』は 兄貴ヘパイストスが日本のアニメを参考にして造った『神器 』だよ !

 兄貴ヘパイストスの話だと、親父ゼウスでも断ち切れない『神器』らしいぞ。

 だから、当分は『 幼女神 』のままだそうだ 」



 てぽ てぽ てぽ てぽ てぽ てぽ てぽ てぽ てぽ てぽ


 あの足音は義妹ユリリンが来たようだな


 ユリリン

お義兄ちゃんアレス、ロキちゃんは まだ寝ているのかな ?

 ……………どうやら起きたようなのじゃ………ロキちゃんは、何があったのか

 覚えておるのかのう ? 」


 アレス

「 ああ、俺が説明しておいたから バッチリだ 」


 ロキ

「 ロキちゃん…………もしかしたら、俺のことか ? 」


 ユリリン

「 妾たち と同じ『 幼女神 』に成ったのだから『 様 』ではなく『 ちゃん 』

 にしたのじゃ !

 ロキちゃんは、『妾預かり 』に成ったから一緒に仕事をするのじゃ 」


 ロキ

「 それは、オーディンのじじいが許可したのか ? 」


 ユリリン

爺ちゃんオーディンが『 煮るなり焼くなり 、スキにしていい !』

 と言って、妾にくれたのじゃ 」


 ロキ

「…………………………………( 戻ったら、必ず殺してやるからな オーディンの◌爺 ! )」



 こうして、新たな『幼女神』ロキちゃん が加わったのでした。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る