第6話

「嘘でしょ?」

「こんなこともできるんだ」

 腕を伸ばして、人差し指を向ける。

 腕を下から上へ動かした。

 十メートルほど先で、花火の様な閃光が次々と上がる。

赤や青、緑やオレンジ、黄色、紫、シュッシュッッシュ!

 パチ、パチ、パチ。

 火花が散る。

「綺麗……」

少女の瞳にキラキラと華のような光りが映り込む。

 顔がほころぶ。

 少しは打ち解けられたかな……

「どうかな、これが人を笑顔にする魔法……なんてね」

 少女は笑顔を信也に向ける。

 二人は笑いあった。

「よし、ご飯買ってこよっか」

「うん」

「おにぎりでいい?」

「パンがいい」

 自転車を押すおじさんと少女が夜道を並んで歩きだした。

 テレテレテレン、テレテレテン。

 コンビニに入った。

「何食べたい」

「えーと、じゃあ」

 ケーキなどが置いてあるコーナーに駆け寄った少女は、

「こっからここまでぜーんぶ」

 と笑顔で言う。

 棚にあるスイーツ全てだ。

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