第9話

〈大学映画研究会〉

柳澤浩(やなぎさわひろし)顧問

鱈本成国(たらもとしげくに)会長

矢作作斗(やはぎさくと)副会長

苫宏幸(とまひろゆき)会員

南木曽悠馬(なぎそゆうま)会員

平田進次(ひらたしんじ)会員

筒永六雄(つつながろくお)会員

西尾昌子(にしおまさこ)会員

二ノ宮真弥(にのみやまや)会員


鱈本「じゃあ今回観るのは、二年前に西萩学園を卒業した平木隆文(ひらきたかふみ)さんっていう人が作った、「マーダーズピエロ」を観ていく」

真弥「またサスペンス?」

六雄「まあまあ、観ようじゃん」

悠馬「まーや」

真弥「はーい」

二人はカップルで、隣同士で観るようだ。


主人公は、自分ら同様、映画研究会の鈴木健(すずきたけし)(仮名)だ。

まず、大学の中で横暴だった小林慎二(こばやししんじ)と田中東(たなかあずま)に暴力を振るわれているところから始まる、まあ鬱な始まり方だ。

それからなんか、交流会みたいなのに参加した主人公は、並木和美(なみきかずみ)という綺麗な女の子に出会う。

交流が続いていたある日、小林慎二が、生首の上、ダーツの矢が右目に刺さり、口の中には卓球の玉が入っている、というグロい死体で発見された。

校内は騒然となり、それから田中東も、逆さ吊りで、内臓が飛び出た死に方をしたり、学校の先生、玉原一子(たまはらかずこ)が右手が無い死体となって発見されたり、などなど、まあ凄まじい死に方ばかりしていた。

最終的には、犯人はそのカメラを回していた人物だったというオチで終わる。


鱈本「ま、まあ…感想聞くか」

真弥「なんかつまんなーい」

悠馬「申し訳ないけど、まーやと同じ感想ですね」

作斗「なんかありきたりだな、ただ、一言突っ込みは、マーダーズピエロといいながら、ピエロどこにいた、っていうくらいピエロが出てこない」

六雄「カメラマンが犯人の事件はたまにあるけど、今回のは正直駄作と言わざるをえないかも」

浩「学生のころは、良い作品作ったのに少し残念と言いたいな」

宏幸「とくにないかな」

進次「まあ、特殊メイクの腕はなんか凄まじい執念は感じた」

昌子「カメラマンさんは名前でてなかったよね?」

進次「確かに無かったような気がするな…」


と、散々な批評だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る