転生リセマラで女の子に転生した僕、男の子が好きなのに、女の子しかいない世界で女の子にモテても困るんだけど?
蒼真 咲
第1話 望まない転生
僕は
僕は、小さい頃から男の友達が好きだった。それが普通だと思っていた。
切っ掛けは、恥ずかしい事に小学2年生の頃、クラスの友達と遊んでいる時に、見つけたエッチな本の真似をして、お互いのそれを〇〇てみようって誘われた時だった。
余りにも衝撃的な出来事だったので、僕は一生その事を忘れないかもしれない。
それからというもの、頭の片隅にはずっと男の子のそれと、口の中に入れた感触と匂いが残っていた。
僕は、おかしいのだろうか?
男の子なのに男の子が好きなんて。
その時の男の子は転校してしまってもう会えないけど。
僕は、恋をしていた。相手は一つ年上の
先輩はかっこよくて、僕の事を良く見てくれた。虐められそうになったら、さっそうと現れて助けてくれるし、遅刻しそうになったら一緒に遅刻してくれる。
いつか、先輩と付き合って恋人になりたい。
そう思ってしまった。
僕は、あの時からおかしくなってしまったんだ。
男の子なのに。男の子と付き合いたいなんて……。
そんな先輩も、あっけなくバイク事故で死んでしまった。
「夕人先輩……先に死ぬなんて僕はどうしたらいいの?」
夕人先輩の亡くなった交差点で、僕は茫然と立ち尽くしていた。
そして、暴走したトラックに気が付かず、僕はトラックに跳ねられてそのまま死んだらしい。
僕は死ぬのか?どうせ死ぬなら、生まれ変わったら、今度は女の子にしてください……。
僕はそう祈った。
◇◇
気が付いたら、僕は生きていた。
転生したのかな?
そうか、神様は見捨てなかったんだ。これで僕は女の子になれたんだ……。
そう思って、股間を見ると付いていた。
僕は、また男の子だった。
僕は、生きる気力を失くして、そのまま死んだ。
やり直しだ!僕は……女の子になりたいんだ!
そして、何度も同じことを繰り返した。
もう何度死んだか覚えていない。
「やめんかい!命をお粗末に扱いおって!バカもんが!」
「あなたは……?」
「ワシは転生神じゃ!お前は男に生まれる運命じゃ!何度死んでも同じじゃ!」
転生神と名乗った白いお髭のお爺さんは、水戸黄門のような格好をしていた。
「そんな……神様!お願いです!僕を女の子にして下さい!」
「……してやれん事もないが、代償が必要になるぞ?ただではやれんな」
「代償ですか?」
「そうじゃ……」
「どのような代償でしょうか?」
代償次第では、僕は代償を払ってても女の子になりたい。
「それは言えんな……どんな代償を払ってでもと言うなら……希望を叶えてやろう……」
「分かりました……僕は、どんな代償を払ってでも……女の子になりたいです!」
その選択が、間違っていようとも……僕には選択の余地は無かった。
「その願い、受け取った。良い人生を送るのじゃぞ?」
そして、僕はもう何度目かの転生を果たした。
◇◇
僕は、確かに女の子になっていた。
男の子のあれがついていないので、僕は遂に女の子になれたんだ。
代償が何か分からないけど……僕は女の子として生を受けた。
僕の家は、貴族らしくて、家はとても大きく使用人も沢山いた。
お母さんの二人が、交代で僕の面倒を見てくれた。
「あなた……ラターシャが笑ったわ」
「可愛い笑顔ね……ユイにそっくりだわ」
「いいえ、あなた……シェリーに似ているわ?」
僕の名前は、ラターシャ・シグレイドらしい。
シグレイド伯爵家に生まれた僕らしいけど……なにかおかしい。
生まれて一年、今まで一度も男性に会った事がない。
お父さんがいないし、使用人も執事も全員が女性だった。
僕がまだ赤ちゃんだからなのかもしれない。
外に行けば絶対にいるはずだ。男の子が……。
僕が五歳になる頃には、僕は絶望していた。
この世界には、男の子がいないのだ。
いや、この領地は……と言った方がいいかもしれない。
僕は、まだ諦めていないのだから。
もしも、これが代償だと言うなら、神様はとても意地悪で残酷だ。
どうしても、僕を男の子と恋愛させたくないらしい。
そして、男の子と出会うことなく僕は成長した。
今年で、僕は十二歳。
学校に通わなくてはならない。
「僕のナイトは、どこにいるんだろう……」
学校は帝都にあるらしく、僕は帝都にある学生寮に入寮した。
帝都に行ってもやっぱり女の子しかいない。
むしろ、美少女率が上がったほどだ。
「可愛い子がいっぱいいる……」
僕が女の子が好きなら喜んだことだろう。
でも、僕は……男の子が好きなんだ。
学園の名前は、帝国立ブルーリーフ学園。
通称、帝国BL学園と言うらしい。
女の子しかいないのにBL学園とは、どう言うことだ?
入学式に着ていく服を渡されて、僕は「え!?」って不思議に思った。
だって、その制服はズボンで……どう見ても男の子向けの制服だったからだ。
そして、入学式には男の子の制服を着たどう見ても美少年の生徒に、美少年の新入生……が勢揃いしていた。
中には女の子の制服を着た子もいたけど、それは半数で、もう半分の人は男の子の制服を着ていたんだ。
「どう言うこと?」
「どうしたんだい?新入生君?」
僕に話しかけて来たのは、どう見ても美少年の上級生だった。
髪の毛は短くしてあり、女の子の面影はついぞ無かった。
「あの……どうして、男の格好をしているんですか?」
「そんな事か?そうだな……教えてやろう……この国に女の子しかいないのは分かるな?」
「はい……」
「つまりは……そう言う事だ」
えええええええ!?
「分かりませんよ?」
「女の子に好意を持って貰うにはどうしたら良いと思う?」
「カッコいい男の子は好きです……」
「そう言う事だ」
「え!?」
「新入生君がその制服を着ていると言う事は、僕と同じように君は選ばれたのさ。格好良い女の子にね?」
言われた意味が分からなかった。
僕は、選ばれた?誰に?何に?
男の子の制服に、女の子しかいない学園……。
僕の脳裏には宝塚の男役の人が浮かんだ。
男役!?僕は……男役なのか?
神様……僕は女の子になりたいって言ったけど、女の子しかいない世界で、男役をやらされるなんて聞いてないよ!?
これが、僕が何度もリセマラした罰だと言うのなら……これが、女の子になる代償だと言うのなら……僕は神様に……どんな代償も覚悟の上と言ったけど……これは無いでしょう?
読者様へ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
これは、男の子が好きな男の子が、男の子のいない?世界に転生してしまった物語です。
続きが気になると感じて下さいましたら、
☆♡にてコメント、応援よろしくお願いします。
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