第6話 ゴールド
「ああ、そういえばカジさんは異世界人様なんですよね?ならお金の単位も知らないんですよね?私たちの世界ではお金の単位はゴールドなんで……」
「いや、そういう問題じゃないですよ!」
俺はメアリさんの話に割り込み言う。
10000ゴールドってゆうのはどう言うことなんだ?しかも1ヶ月毎って。
「そんな怒らないでくださいよ。言い忘れてただけですってー。いや、実はですね冒険者ギルドは楽な所ではなくて収益があまり見込めないんですよ。そこで、冒険者さんに1ヶ月毎に10000ゴールド支払って貰おうとなってるんですよ。」
とメアリさんは笑顔で言う。
「ちょっとそれは高くないですか?」
「いえいえ、収益があまりない理由の5割は冒険者たちの近隣住民への迷惑、冒険者同士のいざこざで冒険者ギルドが対応しなければならないからですよ。それに登録したての新米さんには冒険支援として1000ゴールド支給されんですよ。はいどうぞ。あと冒険者カードも」
と言いメリダさんは小袋とカードを渡してくる。
「えっ、ああ ありがとうございます……」
反射的に差し出された小袋とカードを受け取る。小袋の中を見るとキラキラ光る金貨が100枚ほど入っていた。
「これで1000ゴールドあるんですか?」
「はい。貨幣には 鉄貨、金貨、白金貨、光金貨の4つ種類がありまして。鉄貨は1ゴールド、金貨は10ゴールド、白金貨は1000ゴールド、光金貨100000ゴールドの価値がありますね。」
そうなのかこの世界はコインみたいな貨幣なのか。
「あとこのカードって。」
「それは冒険者カードです。冒険者には階級があって下から順に銅カード、銀カード、金カード、黒鉄カードがあるんですよ。今、カジさんに渡したのは銅カードですね。カードの階級を上げるには依頼を一定量こなし、ギルドが出すランクアップ試験に合格してもらいます。メリットは顔が広くなる……くらいでしょうか。まあ、冒険者カードもある理由は自分の実力に合わない依頼を受けさせないためですからね。」
ほー、そうか冒険者には階級があるのか。なら一番上でも目指すだけ目指すか。よし、メアリさんから聞きたいことも聞けたな。
「えっと、まあ10000ゴールドは予想外だったけど登録させてもらったり色々教えてくれてありがとうございます」
「はい。私も異世界人様に会えたのはいい体験でした。私はここで受付してるので依頼を受ける時は私の所に持ってきてくださいね!待ってますよー」
「はは、分かりました。それではまた」
「はい。頑張ってくださいね!」
俺は手を振りメアリさんとは別れる。
……
さて、自分は冒険の準備をしようかな?うーんまずはスキルとか練習したいし修練場と生産所に行ってみよう。
ぶらぶら冒険者ギルドの中を歩いていくが修練場の場所が一向に分からない。この冒険者ギルドってかなり広い所なんだな。見取り図とかないかな?
それから少し歩くと柱に見取り図が貼ってある。あちゃー、歩いてきた方向と逆か。戻ろうか。
あの後少し右往左往しながらも修練場にたどり着いた。
修練場は開けた場所で太陽が見えている。石作りのリングが一面に並んでおり、その上で冒険者たちが切磋琢磨し、自分の技を磨いている。中には俺の目では動きが早すぎて目で追いつけない人もちらほら見える。
うわぁ、速い。
まあ、人のことを言っても仕方ないので人が少ないリングに乗る。
さて、今俺が持つスキルは[剣術][弓術][罠設置][罠生成][鑑定]だからな。ここでは剣術と弓術を練習したいな。でも弓術の的とかは見えないな。
だが、辺りを見てみると修練場の隅に的があり、その目掛けて他の冒険者が弓を練習している。うん、あそこへは後で行こう。
俺は腰の鞘から剣を抜く。刀身を見るが日本刀のように薄い刀ではなく、西洋のまさにブロードソードって感じかな?
まあ、剣とかあまり詳しくはないけど……。
剣を素振りしてみる。すると、剣に引っ張られ体がぶれる。
ふーん、初めて降ったけど難しいななんて言うんだろう力が剣に伝わらない?これ、お世辞にも上手に使えてないが剣術のスキルの効果出てるのか?……まあ、レベル1だしなしょうがないか。
……
『剣術スキルレベルアップ!1→2』
あれから1時間ほど素振りを繰り返しなんとか安定して剣を振れるようになった。途中メッセージのようなものが出た後、より強く早く振れるようになった。
よし、じゃあょっと休憩して弓術の練習をしよ。
「おい、お前ら!金級同士の組手だってよ!見に行かなきゃ損だぞ!」
なにやらリングの一角で野次馬が集まっている。
どうしたんだろ?
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