ハプニング⁉︎

 オレはアイドルからのアプローチを断った。

 

 しかし、それが思いがけないことに発展し

 ていくのである。

 

 

 オレは本日久々の休日だったため、朝寝坊

 していた。

 

 あ〜、よく寝たわー。

 でも、なんか携帯やたらピコンピコン鳴っ

 てたよな…?

 夢か⁇

 とりあえず携帯に手を伸ばした。

 

 …

 え…

 

 たくさんの通知が届いていた。

 

 えっ?

 何⁈

 携帯大変なことになってんじゃん。

 

 慌てて内容を確認。

 

「おーい!大丈夫か?」

 とか、

「元気出せー」

 とか、

「ま、誰でも黒歴史あるよ。ドンマイ」

 なんて文章がたくさん来ていた。

 

 …何?

 

 慌てて内容確認。

 

 できない。

 同様し過ぎだ!

 しっかりしろ‼︎

 オレ‼︎

 

 一旦深呼吸して確認開始。

 

 すると驚きのニュース発見。

 

 オレがこの間ごめんなさいしたアイドルの

 追っかけオタクだったと暴露されていた。

 

 しかも、バリッバリのオタクだった頃のオ

 レが映ってんじゃん…。

 

 ま、好きだったのは事実だし…

 それにオタクだったのも事実だ。

 

 しかしこんな事になぜなってしまったのだ

 ろう。

 

 よくわからないけどそのうちみんな飽きて

 そんな事どうでもよくなるだろう。

 

 放っておくのが一番いいだろう。

 

 と、思っていた。

 でも、どんどん変な方向に話が広がってい

 く。

 

 なんとオレがアイドルにしつこくしている

 という話に発展していた。

 

 …え。

 

 しかも画像が添付してあり、オレがこの間

 ごめんなさいした所がチョイスしてあった。

 

 ごめんなさいしたのに、頭を下げてまで連

 絡先が欲しかったのか⁉︎って書かれていた。

 

 …これは事実じゃない。

 でも、オレがあれは違うんですって言って

 も信用されないんだろーな。

 

 

 はぁ。

 めんどくせー。

 

 って事でとりあえずこの質問を色んなとこ

 ろでされまくった。

 

 オレはその都度、オタクだったこともアイ

 ドルも好きだったこともきちんと認めた。

 

 そして、携帯をしつこく聞いたのかって質

 問だけは、ご自由にご想像くださいとニッ

 コリ答えていた。

 

 違うなんていうと、じゃあアレはなんのや

 り取りだったのですかとしつこく質問され

 そうだったし。

 

 向こうの方にも迷惑になってしまうかもし

 れないと思ったから。

 

 

 潔くそしてその後もオレは堂々としていた。

 

「過去のオレは背も低くてほんとオタク‼︎っ

 て感じだったっすよ」

 と笑ってはなしていた。

 

 すると、なんだか風向きが変わってきたみ

 たいだ。

 

 堂々としていて男らしいとか、過去なんて

 みんなあって当たり前的な感じで批判より

 応援してくれる人が増えた。

 

 うん。

 とりあえずよかった。

 

 そんなある日事務所に謝罪の手紙が届いた。

 

 この度は、うちのアイドルがありもしない

 ことを公表致しまして誠に申し訳ございま

 せんと。

 

 …あぁ、やっぱりあの子の仕業か。

 オレは薄々感じでいた。

 

 でも、それをもう今さらどうこう言うつも

 りもないのだ。

 

 なので普通に和解でその話はすんなり終わ

 った。

 

 その数ヶ月後、例のアイドルと偶然遭遇し

 た。

 

 オレはペコリと頭を下げていこうとした。

 するとアイドルが、

「あの時は、振られた腹いせにごめんなさい。

 でも、やっぱりあなた素敵だな。もっと違

 うアプローチすればよかった。じゃ。」

 

 と言い去っていった。

 

 …好きだったアイドルに潰されそうになっ

 たり、素敵な人と言われたりオレはなんか

 想像もつかない人生を歩んでいるような気

 がする。

 

 ま、人生ってそんなもんなのかもしれない

 なー。

 

 続く。

 

 

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