良い子のバイオマシン教室。
まだ続く珍試合で、通信の操作について教えてる。
流石にリアスも、ガッチリ記録されてるこの状況で向こうの操作にアクセスとか出来ない。
いや出来るんだろうけど、バレたらガチでヤバいので、僕らが口頭で教えるしか無い。
機体に対して通信を送ってるから、情報端末の操作しか経験の無いポロンちゃんは、マジで何を操作すれば良いのか、本当に何も分からないのだ。
なんとか言葉だけで、汎用コックピットの作りを思い出しながら教える事二分。やっとホロ通信が繋がった。
『繋がりましたー! わーい!』
「はい可愛い」
「これは可愛いな」
『微笑ましい。VRバトルを初めて良かったと思える』
「「それな」」
『にゅぁ、えと、てれちゃぅ……』
はい可愛い。なんだこの、なに? 小動物感って言うの? ペット感が凄い。シリアスのコックピットで飼いたいこの子。
にぱぁって笑う笑顔が眩しく、本当にバイオマシンに乗れて嬉しいって気持ちが全身から滲み出てる。
ふわふわのクリームヘアーがわっさわっさと浮き上がるくらいに、ちょっと機体を動かせる度にポロンちゃんがぴょんぴょんする。
汎用コックピットのシートに着いてるパイロット防護措置ってクロスシートベルトなので、ぴょんぴょんするくらいは可能なのだ。
僕はセーフティロッドでガッチリ抱き締められてるから無理だけど。
「曲がれたら、次はスライドの練習しましょうねぇ〜」
『はーい!』
「ランクマッチが完全に『
「もう良いじゃん。時間制限無いし、あんまり酷い試合だと運営に止められるらしいけど、コレを止めに来たら運営を鬼畜って罵って動画をアップしてやる」
『予想。恐らくは大丈夫。普通の試合とは違った魅力があるので、視聴者さえ着いて満足すれば、運営も文句は言わないはず』
ポロンちゃんに六ペダルの基礎操作を教えた後は、ある意味で本番なアクショングリップの操作だ。
スロットルレバーはアクショングリップを覚えたらその延長で覚えられるので、アクショングリップの授業に終始する。
「ウェポンドッグは胸部に内蔵されたパルスライフルと、両肩のパルスガトリング砲。背面のプラズマ砲二門で、合計五つの武装が標準装備です。これらをアクショングリップの操作で切り替えつつ、フットペダルで移動しながら攻撃を当てるのが基本になります」
『わっ、わっ、むずかしぃ…………』
「適当に撃ってみて良いですよ。こっちの機体へ来る砲撃は勝手に避けるか、弾くので」
流石に音速を超える弾丸を見てから避けるのは無理だけど、予め動ける様にしたり、怪しい砲線にはそっとアームを差し込んでおけば問題無い。
それにプラズマ砲なら弾速も音を越えないので、頑張れば見てから回避も可能だ。
そうやって少しずつ、本当に少しずつポロンちゃんが機体を動かせる様になってくのを見守る。
見てるとなんだか、胸がポカポカするね。これが父性か…………。
いや本物のパッパが今も試合を観戦中らしいので、父性はそっちに任せようか。
『う、撃てましたー!』
「頑張りましたねぇ。では次、武装を切り替えたり、同期させて一斉射してみま--」
ミス操作か、僕が喋ってる時にポロンちゃんの背中から砲撃が飛んで来た。
今は胸のパルスライフルを適当な壁に撃ってたんだけど、背中の砲門はウェポンシステムの自動ロック機能によってコッチを向いてたので、切り替えのミスでそのまま撃っちゃったんだろう。
「--あぶねっ」
予想はしてたので、砲線に差し込んでたアームで弾く。なかなかのダメージだ。流石プラズマ砲。
プラズマ兵器は実弾兵器とは違い、弾丸がエネルギー体でその着弾によって直撃部を瞬間蒸発、爆発させる兵器だ。
なので実弾兵器なら可能である『装甲を抜く』って攻撃が出来ない。
代わりに、コッチの装甲その物を削って爆破する仕組みだから、当たると超痛い。衝撃もヤバい。凄い速度でブチ込まれる爆弾兼強酸みたいな兵器なのだ。
まぁ威力が馬鹿高い代わりに弾速が遅いので、プラズマ砲ならギリギリ見てから回避も可能な場合もあるから、それが救いか。今回は先読みで防いだけど。
『ごっ、ごめんさーいッ!?』
「大丈夫ですよー。弾いたのでー」
「……凄いよな。ランクマッチで砲撃されたら、何故か謝られる空間。なんだ此処?」
「ターラがさっき言ってたじゃん。『
涙目で謝るポロンちゃんに、今の事故の原因と、気を付けるべき操作を教える。
フリーにしてる武装はウェポンシステムが敵を自動で捕捉し続ける物もあり、ウェポンドッグに限らず背面に乗せてるタイプの武装は大体そうだ。
ゲーム版シリアスの背面にあるフレキシブルコンシールドブラスターもそう。同期を切ってフリーにすると、ウェポンシステムが最も脅威度が高い敵を勝手にロックして狙う。切り替えた瞬間に撃てる様に。
脅威度の判定は予め変えておけるけど、基本は『一番近い敵機』が選ばれる。勿論自動ロックその物をオフにも出来るし、僕はそうしてる。
「だから、武器切り替えの時に誤射をしたくないなら、切り替えボタンを押す時にトリガーから指を離しましょうねぇ〜」
『わかりました!』
「うーん、これ私も自分の機体を持つ時に気を付けた方が良い事だなぁ。良い子のバイオマシン教室は為になる」
『あ、ターラさんも実機は持ってないんですかっ?』
「うん。その内持てる予定ではあるんだけど、まだ無いんだ。私もディアラに操縦を教わってる途中なんだよ」
『じゃぁ、今はお揃いですね! 一緒におべんきょーです!』
「そうだなぁ。お勉強は大事だよなぁ」
もう、空気がふにゃふにゃだ。
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