狩りの様子。
シリアスはこんなに素敵で可愛いのに、その良さが分からないなんて、この二人は人生を九割九分九厘損してるに違いない。
なんて勿体無い人生を送ってるんだ。
「まったくぅ…………、ん? ああ、二機目発見。今度は先制出来る」
「おほぉー! 稼ぐぅー!」
「マジ
センサー範囲ギリギリ、砂から出てるデザリアの
僕は狙撃のセンスがあまり無いっぽいので、命中はするんだけど綺麗に
僕が自信無いからって、シリアスに照準を任せる事はしない。一応はシリアスが狙って僕が引き金を引くって事も可能なんだけど、やらない。
シリアスもほんの少し、数秒だけ時間を使って演算すれば、かなり高精度な狙撃が出来る。
けど、シリアスは元々戦闘用じゃなく工作機に積まれてた
古代文明レベルの技術で作られた
なので、苦手同士で譲り合うなら練習の為に僕が狙撃した方が後々の為だと言われ、僕の仕事になってる。
この先、何処かで容量の大きな
でも、それってつまり移動先の
もし、もし仮に、古代文明の生産施設の設備を使って完全に空の
「喰らえ、八○○シギル砲!」
「こっちは完璧な二ヶ月砲や……」
「二○シギルを一ヶ月二○日働いて四○○シギル! 二ヶ月で八○○シギル! 俺らでも二ヶ月働けば買える弾なんだな!」
「機体ねぇけどな!」
「それな!」
「ごめんちょっと戦闘機動に入るから黙ってて? 舌噛むよ?」
「「あいあいさー!」」
狙撃は成功して、だけどやっぱり
まぁ今のシリアスなら充分だ。元々性能差が生まれてるのに、更にデバフ食らわせたら勝負にならない。
吶喊して、迎撃に振るわれるアームを黒いアームで掴み取り、速攻で内蔵パイルバンカーで破壊する。工作機の装甲って本当に柔らかいな……。
「ごめん、
出せるパワーが違うので、悪足掻きのテール攻撃と生き残ったシザーアームを掴んで、デザリアを丸ごとひっくり返す。
パイロットが居ないと武装が使えないって言うのは、あくまでウェポンシステムが使えないって事なので、ただ動いでパーツを叩き付けたり、シザーアームで挟み潰したりは可能だ。
つまりちょっとは危ないので、まるで反撃出来ない様にさせて貰う。
「これで、終わりっと……」
ひっくり返ったデザリアのお腹、僕の撃ったパルス砲が当たってボロボロになってる場所にシザーアームを限界まで開いて添える。
そしてトリガーを引いて内蔵パイルバンカーを射出した。
なかなか使い勝手が良いこのバトルアームは、弾薬費を節約しながらデザリアの
「うーん、グラディエラ良いゾ〜」
「かっけぇし、強いよな」
「俺らさ、将来的にデザリアに乗る奴も結構居ると思うけど、多分その時って、ラディアのカスタムを丸パクリしそうだよな」
「分かる」
僕も分かる。多分そうなるんじゃ無いかなって思ってる。
だって実際カッコイイし、こうやって実績も見せてるし、選ばない理由って特に無いよね。
オンリーワンが良いってマイナーウェポンを選んで失敗する新人の話しは、オスシ会の時にカルボルトさんに語られたしね。
無難でカッコよく実績もある選択が見えてるなら、まぁ僕でも同じ物を選ぶと思う。
いや、僕でも選ぶって言うか、僕が悩んだ末に選んだのがコレなんだし、当たり前か。
「これで幾らの稼ぎなのよ」
「んーと、シリアス?」
『回答。欠損率等を加味して現在の相場と照合すると、二機分合わせて五○万程と予想される』
「うっひょぉ〜」
「圧倒的な稼ぎじゃないか……! 俺も、早く俺も乗機が欲しい……!」
結局、この日は二機しか狩れなかった。
デザリア、本当に出会えないな。めっちゃ隠れよる。
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