RPGのモブキャラとして異世界に転生したので、原作知識で成り上がって無双して美少女ハーレムパーティーを作る

平野 ユウ

第1話

 俺はアレク。


 転生者だ。


 俺の転生先の異世界は、俺が前世でプレイしていたRPG「トワイライト・クロニクル」によく似ていた。


 トワイライト・クロニクルは、自由度の高さと美麗なグラフィックが特徴の高難易度RPGだ。


 俺が転生したアレクはモブキャラであり、初期ステータスが高いので序盤は活躍するが、あまり成長しないのでメインキャラクターが育ってくる中盤以降になるとパーティーから外される。


 いわゆる、お助けキャラだ。


 トワイライト・クロニクルはクリア回数に応じて追加要素が解禁されるゲームであり、俺は前世でトワイライト・クロニクルを数十回クリアして、追加要素をコンプリートした。


 そのため、攻略に必要な情報は概ね暗記している。


 この知識を有効活用すれば、モブキャラである俺でも、きっと強くなれるはずだ。


 



 現在、俺ははじまりの街トラメルの宿屋に滞在している。


 俺は、宿屋を出て、冒険者ギルドに向かった。


 5分ほど歩いて、冒険者ギルドに到着した。


 ゲーム内だと20秒で着いていたのだが、現実化したので、その分だけ所要時間が増えた。


 冒険者ギルドは、この街で一番大きな建物だ。


 冒険者ギルドには、食堂が併設されている。


 トワイライト・クロニクルには食事システムが存在し、食事のメニューに応じて、ステータスが一時的に増加する。


 俺は、ハムサンドとコーヒーのセットを注文し、魔法攻撃力を上げた。


 アレクのジョブは魔法剣士だ。


 魔法剣士は剣と魔法を両方扱える汎用性の高いジョブだが、どちらも中途半端になりやすく、育成方針は慎重に決める必要がある。


 序盤は、まずは魔法を優先して習得し、範囲攻撃で敵をまとめて倒し、効率よく経験値を稼ぐことが重要だ。


 食事を終えて、俺は受付窓口に向かった。


「いらっしゃいませ! 冒険者ギルドへようこそ!」

 すると、美少女受付嬢が出迎えてくれた。


「クエストを受注したい」

「かしこまりました!」

 そう言って、受付嬢はクエスト一覧表を手渡してきた。


 俺は、地下水道のスライム討伐クエストを受注した。





 冒険に出るためには、装備が必要だ。

 

 現在のアレクの装備は、錆びた剣と、普通の服だけ。


 どちらも非常に弱いので、今すぐ買い換えなければならない。


 俺は、武具屋に向かった。


「へい。いらっしゃい」

 武具屋に入ると、髭面のおっさんが出迎えてくれた。


 早速、俺は掘り出し物コーナーに向かった。


 掘り出し物コーナーの品揃えはランダムであり、時々、強力な装備が紛れていることがある。


 アレクは【鑑定】スキルを持っているので、掘り出し物の良し悪しを見抜くことができる。


 ……おお!

 俺は、魔剣ソウルイーターを見つけた。


 魔剣ソウルイーターは、呪われた武器だ。

 【暗黒魔法適性】を持つ魔法剣士だけが、魔剣ソウルイーターを使用することができる。


 幸い、俺はその条件を満たしている。


 早速、俺は、魔剣ソウルイーターを購入した。


 呪われた武器なので、タダ同然の値段だ。


 魔剣ソウルイーターは成長武器であり、敵を倒す度に強くなる。

 

 序盤から終盤までずっと使える、優秀な武器だ。


 続いて、俺は特売品コーナーに向かった。


 そして、見習い魔術師セット(樫の杖+黒のローブ+ロングブーツ)を購入した。


 樫の杖は、幅広い魔法を使える初心者向けの杖で、魔法熟練度の成長速度を上げる効果があるので、是非買っておきたい。


 黒のローブは、魔法攻撃力を上げる効果のある魔術師向け装備だ。


 魔法剣士は、金属鎧を装備すると魔法攻撃力が下がってしまうので、魔術師向けのローブを装備することが多い。


 ロングブーツは、【不整地歩行】アビリティを付与してくれる便利な装備だ。


 地下水道を歩く場合は、【不整地歩行】は必須スキルだ。


 装備を整えて、俺は地下水道に向かった。





 俺は、地下水道に到着した。


 現在、地下水道ではスライムが大量発生している。


「ピィ!」

 早速、鳴き声を上げながら、スライムが現れた。


 トワイライト・クロニクルにおけるスライムは強敵だ。


 物理攻撃はほとんど通じず、魔法攻撃も弱点である雷属性以外はあまり効かない。


 そして、酸攻撃で容赦なく装備品を溶かしてくる。


「【ライトニングボルト】」

 俺は樫の杖を構え、ライトニングボルトを詠唱した。


 稲光に焼かれて、スライムは一撃で倒れた。


 アレクはお助けキャラであり、序盤は強いので、ライトニングボルト一撃でスライムを倒せる。


 歩いていくと、スライムだらけの小部屋を発見した。


 モンスターハウスだ!


「【ライトニングボルト】【ライトニングボルト】【ライトニングボルト】」

 ライトニングボルトの連打で、スライムの群れを殲滅する。


 アレクは【魔力循環】スキルを習得しており、魔力回復速度が早いので、節約せずに魔法を連打しても、魔力切れに陥ることはない。


 スライムは、序盤の敵としては経験値が多いので、経験値稼ぎに適している。


 今回の戦闘で、俺のレベルも8まで上がった。


 成果は順調だ。


「……ん?」


 救難信号が出ている。


 ここの近くだ。


 助けに行こう。


 俺は早足で、現場に向かった。


「グァァァァァ!!」

 すると、巨大なスライムキングが出現していた。


「……だ、誰か、助けてください!」

 少女は、結界を張って必死にスライムキングの攻撃を防いでいたが、限界は近そうだった。


「待ってろ。今、助ける! 【奥義:次元斬】」


 俺は魔剣ソウルイーターを装備し、次元斬を発動した。


 すると、スライムキングは次元の裂け目に吸い込まれて死亡した。


 次元斬は即死攻撃だ。

 スライムキングは即死耐性を持たないので、即死攻撃が有効だ。


 スライムキングを倒したことで、俺のレベルも15まで上がった。


 レベリングは順調だ。


「……あれ? 私、助かったんですか……?」

 結界を解除した少女は、力が抜けたようにその場に座り込んだ。


「ああ。もう大丈夫だ」

「ありがとうございます。私はリリエル。ジョブは聖女です」


 リリエルは、金髪碧眼ロリ巨乳の美少女だ。

 可愛らしいシスター服を着ている。


 リリエルは、トワイライト・クロニクルにおける最強のヒーラーだ。

 是非、仲間に加入させたい。


「俺はアレク。ジョブは魔法剣士だ。……なあ、俺と一緒にパーティーを組まないか?」

「いいんですか? アレクさんみたいな、強い方とパーティーを組めるのなら大歓迎です!」


 トワイライト・クロニクルにおいては、強さに応じて勧誘成功率が変動する。

 

 こうして、俺はリリエルをパーティーに加入させた。



 






 

 


 


 

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