RPGのモブキャラとして異世界に転生したので、原作知識で成り上がって無双して美少女ハーレムパーティーを作る
平野 ユウ
第1話
俺はアレク。
転生者だ。
俺の転生先の異世界は、俺が前世でプレイしていたRPG「トワイライト・クロニクル」によく似ていた。
トワイライト・クロニクルは、自由度の高さと美麗なグラフィックが特徴の高難易度RPGだ。
俺が転生したアレクはモブキャラであり、初期ステータスが高いので序盤は活躍するが、あまり成長しないのでメインキャラクターが育ってくる中盤以降になるとパーティーから外される。
いわゆる、お助けキャラだ。
トワイライト・クロニクルはクリア回数に応じて追加要素が解禁されるゲームであり、俺は前世でトワイライト・クロニクルを数十回クリアして、追加要素をコンプリートした。
そのため、攻略に必要な情報は概ね暗記している。
この知識を有効活用すれば、モブキャラである俺でも、きっと強くなれるはずだ。
◇
現在、俺ははじまりの街トラメルの宿屋に滞在している。
俺は、宿屋を出て、冒険者ギルドに向かった。
5分ほど歩いて、冒険者ギルドに到着した。
ゲーム内だと20秒で着いていたのだが、現実化したので、その分だけ所要時間が増えた。
冒険者ギルドは、この街で一番大きな建物だ。
冒険者ギルドには、食堂が併設されている。
トワイライト・クロニクルには食事システムが存在し、食事のメニューに応じて、ステータスが一時的に増加する。
俺は、ハムサンドとコーヒーのセットを注文し、魔法攻撃力を上げた。
アレクのジョブは魔法剣士だ。
魔法剣士は剣と魔法を両方扱える汎用性の高いジョブだが、どちらも中途半端になりやすく、育成方針は慎重に決める必要がある。
序盤は、まずは魔法を優先して習得し、範囲攻撃で敵をまとめて倒し、効率よく経験値を稼ぐことが重要だ。
食事を終えて、俺は受付窓口に向かった。
「いらっしゃいませ! 冒険者ギルドへようこそ!」
すると、美少女受付嬢が出迎えてくれた。
「クエストを受注したい」
「かしこまりました!」
そう言って、受付嬢はクエスト一覧表を手渡してきた。
俺は、地下水道のスライム討伐クエストを受注した。
◇
冒険に出るためには、装備が必要だ。
現在のアレクの装備は、錆びた剣と、普通の服だけ。
どちらも非常に弱いので、今すぐ買い換えなければならない。
俺は、武具屋に向かった。
「へい。いらっしゃい」
武具屋に入ると、髭面のおっさんが出迎えてくれた。
早速、俺は掘り出し物コーナーに向かった。
掘り出し物コーナーの品揃えはランダムであり、時々、強力な装備が紛れていることがある。
アレクは【鑑定】スキルを持っているので、掘り出し物の良し悪しを見抜くことができる。
……おお!
俺は、魔剣ソウルイーターを見つけた。
魔剣ソウルイーターは、呪われた武器だ。
【暗黒魔法適性】を持つ魔法剣士だけが、魔剣ソウルイーターを使用することができる。
幸い、俺はその条件を満たしている。
早速、俺は、魔剣ソウルイーターを購入した。
呪われた武器なので、タダ同然の値段だ。
魔剣ソウルイーターは成長武器であり、敵を倒す度に強くなる。
序盤から終盤までずっと使える、優秀な武器だ。
続いて、俺は特売品コーナーに向かった。
そして、見習い魔術師セット(樫の杖+黒のローブ+ロングブーツ)を購入した。
樫の杖は、幅広い魔法を使える初心者向けの杖で、魔法熟練度の成長速度を上げる効果があるので、是非買っておきたい。
黒のローブは、魔法攻撃力を上げる効果のある魔術師向け装備だ。
魔法剣士は、金属鎧を装備すると魔法攻撃力が下がってしまうので、魔術師向けのローブを装備することが多い。
ロングブーツは、【不整地歩行】アビリティを付与してくれる便利な装備だ。
地下水道を歩く場合は、【不整地歩行】は必須スキルだ。
装備を整えて、俺は地下水道に向かった。
◇
俺は、地下水道に到着した。
現在、地下水道ではスライムが大量発生している。
「ピィ!」
早速、鳴き声を上げながら、スライムが現れた。
トワイライト・クロニクルにおけるスライムは強敵だ。
物理攻撃はほとんど通じず、魔法攻撃も弱点である雷属性以外はあまり効かない。
そして、酸攻撃で容赦なく装備品を溶かしてくる。
「【ライトニングボルト】」
俺は樫の杖を構え、ライトニングボルトを詠唱した。
稲光に焼かれて、スライムは一撃で倒れた。
アレクはお助けキャラであり、序盤は強いので、ライトニングボルト一撃でスライムを倒せる。
歩いていくと、スライムだらけの小部屋を発見した。
モンスターハウスだ!
「【ライトニングボルト】【ライトニングボルト】【ライトニングボルト】」
ライトニングボルトの連打で、スライムの群れを殲滅する。
アレクは【魔力循環】スキルを習得しており、魔力回復速度が早いので、節約せずに魔法を連打しても、魔力切れに陥ることはない。
スライムは、序盤の敵としては経験値が多いので、経験値稼ぎに適している。
今回の戦闘で、俺のレベルも8まで上がった。
成果は順調だ。
「……ん?」
救難信号が出ている。
ここの近くだ。
助けに行こう。
俺は早足で、現場に向かった。
「グァァァァァ!!」
すると、巨大なスライムキングが出現していた。
「……だ、誰か、助けてください!」
少女は、結界を張って必死にスライムキングの攻撃を防いでいたが、限界は近そうだった。
「待ってろ。今、助ける! 【奥義:次元斬】」
俺は魔剣ソウルイーターを装備し、次元斬を発動した。
すると、スライムキングは次元の裂け目に吸い込まれて死亡した。
次元斬は即死攻撃だ。
スライムキングは即死耐性を持たないので、即死攻撃が有効だ。
スライムキングを倒したことで、俺のレベルも15まで上がった。
レベリングは順調だ。
「……あれ? 私、助かったんですか……?」
結界を解除した少女は、力が抜けたようにその場に座り込んだ。
「ああ。もう大丈夫だ」
「ありがとうございます。私はリリエル。ジョブは聖女です」
リリエルは、金髪碧眼ロリ巨乳の美少女だ。
可愛らしいシスター服を着ている。
リリエルは、トワイライト・クロニクルにおける最強のヒーラーだ。
是非、仲間に加入させたい。
「俺はアレク。ジョブは魔法剣士だ。……なあ、俺と一緒にパーティーを組まないか?」
「いいんですか? アレクさんみたいな、強い方とパーティーを組めるのなら大歓迎です!」
トワイライト・クロニクルにおいては、強さに応じて勧誘成功率が変動する。
こうして、俺はリリエルをパーティーに加入させた。
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