第153話 泣かない、泣かない。


だからイヤだったんだよ

立ち込める雨の匂い

その中を流れるのがこの曲なんて

泣けって言ってるようなもんじゃないか


だからイヤだったんだよ

今にも泣きそうな空の下

いつもはなんてことないこの曲が

なぜか胸に迫って仕方なくなるんだから


静かなメロディが耳を打つ

ぽつりと落ちてくる雨の雫

僕は唇を噛み締める


泣いてなんかやらない

泣いてなんかやらないんだ

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