第15話 入学式
「それじゃあ今日は、明後日ある入学式での役割の確認をするよ!」
もうそんな時期なのか。
学年も一つ上がり、三年生となって今日で三日。
明後日には新一年生が入ってきているのか。
「それで~、柑ちゃん何するの~?」
「天音、何だか眠そうだね?」
「ん~、暖かくなってきたからね~。寝ちゃう前に早く終わらせよ~」
こいつは、相変わらず自由だな。
まぁ、暖かくなって来ていて眠くなるのは分かる。
「話を続けましょう。私たちは一体、何をするのかしら?」
「うん、私たち生徒会役員は当日、受付の作業をする事に為っているの」
「会長。分担は既に、決まっているんですか?」
「えーっと、私が新入生に歓迎の言葉を、天音と雪乃は来賓の受付と案内を、ミー君が月ちゃんと風ちゃんと一緒に保護者の受付の案内をする事に為っているよ。他に、質問はあるかな?」
「私は…ないよ~」
そう言うと、如月さんはパタリと倒れこむ様に寝てしまった。
そこまで眠かったのか。
「私も問題ないわ」
「姉さまと、同じく」
「はい、私も大丈夫です」
「俺も問題ない。それにしても、もう入学式か。オープンスクールが懐かしいな」
「そうだね。オープンスクールは前年度の執行部と一緒にやった、唯一の行事だもんね」
柑條の言う通りオープンスクールは、引き継ぎを行なう前に前年度の生徒会と一緒にやった唯一の行事だ。
一緒に活動する事で、執行部の活動を理解してもらう事が目的だったらしい。
簡単に言えば、お手本を見せて貰ったって事だな。
「それに、あの時は大変だったね~。特にミー君が」
「そうね、夜海は特に、大変だったでしょうね」
「それは、言わないで貰えるだろうか。俺自身、ビックリな出来事でな」
ほんと、あの時は焦った。
まさかアイツがオープンスクールに居るなんて思いもしなかった。
「会長、何があったんですか?私と月乃ちゃんは、別行動でしたから良く分からないのですが?」
みると、ツッキーも歌風さんの発言に頷いていた。
「ん~、何て言ったらいいのかな?」
「そうね……」
「言うなよ。どうせそのうち分かる事だが、今は気にする様な事じゃない」
と言うか、俺自身あの時の状況は良く分からない。
何と言うか、久しぶりに会ったらああなったとしか言えない。
「先輩。そのうち、教えて下さい」
「ま、本人が居る時にな。その方が、話が早いから」
オープンスクールであった事は、また機会があったら話そう。
だが今は、入学式の話を進めなければな。
「で、柑條。前日準備でする事はあるのか?」
「あ、忘れるとこだった。フーちゃん、莉桜は今チャットにログインしているかな?」
歌風さんは柑條に言われてチャットを確認し始めた。
赤城にもちゃんと、仕事が在ったのか。
アイツも出て来るのだろうか?
「はい、ログインしています」
「じゃあ一応、広報委員会の人たちに入学式の前日に、一年生の教室の飾り付けをお願いって、伝えておいて」
「『了承した』だそうです。相変らず、聞いているんですね…」
早いな、さすが赤城と言うべきなのかな。
いつかは、顔を見てみたいものだが素直に出て来る訳ないよな。
「雪乃は整備委員の人たちに、広報部の手伝いと一年生教室の掃除を伝えておいて」
「分かったわ」
「その他の人たちで、会場の準備をするからね。他に何か、聞きたい事はあるかな?」
眠っている者を除き、全員大丈夫そうだ。
っていうか、如月さんは熟睡しているな。
「それじゃあ今日は、解散だよ。みんな、明日も頑張ろうね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます