Guitar fairy

@doushi

プロローグ

母は有名な画家だとおじさんに昔から聞かされていた。母が僕のことを見向きもしないのは、仕方の無いことなのだと小学生ながらに薄々感じていた。多少達観している考え方をしていたとしても、彼は小学生なのだ。母を独り占めする絵を酷く嫌った。そして天才は早世だと言われるように、母は僕が小学5年生の時にこの世を去った。

彼女は、莫大な遺産と芸術家としての遺伝子。そしてその遺伝子を殺すかのような呪いを残した。気づけば僕はその呪いを享受していた。母のような美術家にはなるまいと。そう誓って。

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