美少女の照れた顔って何で癒されるのだろう。
「弥登君」
顔の熱を冷まし、七海が持ってきてくれた料理を持ちながらテーブルを周り、社員達と話してたら後ろから声をかけられ、振り返る。
「詩音さん、忘年会は楽しんでる?」
「……楽しめてますよ」
詩音さんが忘年会を楽しめている事に安堵して、ふと彼女の顔が少し赤い気がしたが気のせいだろう。
「それは良かった。詩音さんが楽しめる事って今の所料理だけでしたので。少し不安だったんです。」
「そんな事ありませんよ。たくさんの料理がありましたけど、どれも美味しそうで目移りしてしまいました。」
そう話す詩音さんの声からも楽しいと伝わる。その事を嬉しく思い、つい笑ってしまう。詩音さんは笑われたと思ったのか若干頬が膨らんでた。可愛いかよ。そんなこと言えず、違う理由で隠す。
「違うよ?あんなにキョロキョロしてたから、本当の事なんだと嬉しかったんですよ。」
「み、見てたんですか!?言ってくれたら良かったのに!」
あの空気の中で話しかける勇気はないんだよ。詩音さん。察してくれ。
顔が赤くなっている詩音さんの攻撃を受け止め、宥めているとステージから七海の声が聞こえてきた。
「みなさーん!忘年会楽しんでるか!?」
『楽しんでるぜ!』
『楽しんでるよー!』
「それは良かった!…それじゃあ、お楽しみのプレゼント抽選の時間だー!」
七海が言った内容が気になるのか、詩音さんは攻撃の手を止めて視線をステージに向けている。僕はその間にこっそりと詩音さんから距離をとった。彼女の攻撃は想像以上に僕にダメージを与えてきた。
「弥登君、コレはどうゆうゲームですか?少し、理解出来てなくて。」
「七海の説明は分かりずらいから……これはね。」
ステージの方で皆が受付で貰った枚数分、箱の中に入ってる事。
七海が箱の中から1枚引き、出た番号と同じ番号の人が景品を貰える事。
何が貰えるかはもう1つある箱の中から引いた数字で決まる事。
その事を詩音さんに伝えれば分かりやすい程に顔に理解の色を示してくれた。それで、だんだんに近くに寄ってきてません?
「成程……単純ですけど盛り上がりそうですね。」
「楽しむ事が大事だからね。これぐらいが良いんだよ。」
「確かにそうですね。……少し楽しみです。」
それは良かったです。ですので、少し離れてくれません?
そんなことを考えていれば説明が終わった七海達も準備が出来たらしい。社員達も飲み物や料理を手にしてスタンバってる。
「ちなみに、景品の中でもとびきりヤバいのが1つあるから狙ってみてね!それじゃあ始めるよ!」
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