放課後の騒動

「春川さんここの問題がわからないんだけど……」


「そこは公式を使ってから計算すると………」


「春川さん。これは……」「春川さんこのあと遊びに……」「春川さん!教えて下さい。」「春川さん……」

「えっと……その……あの……。」


「春川さん。今日も質問に答えてるね。」

「そうだな。」



 ―星晶高校―放課後―


 授業が全て終わり、担任の挨拶が終わったあとすぐに、完璧少女である春川さんは、たくさんの質問に答えていた。

 偏差値の高い高校であるために授業の内容は高め。

 そのため、一回ですべての内容を理解するのには無理がある。人間、一度で全てを覚えきれるほど素直じゃない。


 そんな中、我らのクラスには完璧少女がいる。理解している人が近くにいるのなら聞くのが通りだろう。後、単に春川さんにお近づきになりたい人が声を掛けてるのだろう。


 そして、相手もほとんど答えてくれる為、今日もこんなにも集まっているのだろう。にしても集まりすぎだと思う。彼女の席を中心にして人が集まっている為、こちらにも被害が及ぶ為、辞めてほしい。そう思いながら席を立ち、彼女のもとへと行く。


「春川さん」


 普段だったら話しかけなどしないのだが、今回は事情が違う。こちらにも用はある。話しかけかたが悪かったせいで、男女両方から色んな視線が飛んでくる。達也からの視線もあるが、全部無視。


「音乃さん?どうしました?」



「先生から至急、手伝って欲しい事があると言ってたのでので来てほしい。外で長くなるので鞄も持ってくるようにとも言ってた。」


 さり気なくサポートをする。意図を組んでくれてたらしい。


「わかりました。……すみません。これで質問などは………」


 先の教室を出て春川が来るのを待つ。


「すみません、おまたせしました。」

「大丈夫だ、………行きますか。」


 そうして春川さんを先行するように前を歩き、下駄箱に向かうのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る