僕が彼女を雇うまで

ミコト

エピローグ

「ママーあそこで人が転がってるー」


「み、見ちゃいけません!」


「………………………」


 高校1年生である僕、音乃弥登おとのみのるは、雨の日に道路を横になっていた。


 いや、横になりたくてなったわけでは無いのだけど、いかんせん体が動かない。オマケに頭も痛い。


 道を歩く人達の邪魔になるほどのがわかっていても体が動かない為、体を転がす事で通行人の邪魔にならないようにすることが出来た。傍から見たら雨の中傘も刺さずに横になっているというヤバいやつなんだけど………


 何時もだったらイヤホンを耳に着けることでどうにかしてきたのだが先生からの催促で焦っていて忘れてしまった。ホント許さないあの野郎。

 

そんな中雨の音にまぎれて1つの足音が僕の頭の上から聞こえた。目を動かしたけど足しか見えなかった。生足じゃなく、タイツしか見えなかったけど。


『助けてって言ったら助けてくれるのだろうか……

普通は避けるか。』


そんな事を頭の中で考えていた僕の意識はだんだん暗くなって行くのだった。

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