【第一部完】10000時間プレイした戦争死にクソゲーの悪役に転生したので、闇落ち主人公からヒロインと学校と国を寝取り、最強の暗殺チームで無双します

ゴールドユウスカイ

第一部 メリホスト騎士団訓練校編

第一章 悪役に転生しました

第1話 10000時間を超えました

 死の運命にある女の子を救いたい。

 

 たとえそれが、ゲームであっても。



 ****



 目標『敵補給基地発見』失敗


 特別クエスト『キーウィ防衛戦』失敗


 結果1:『ミラ・クリス』、『アナスタシア・コザーク』、『ユリヤ・スタラヤドガ・リューリク』死亡

 

 結果2:バッドエンドルート368『スラヴァ王国滅亡』に移行します



「このクソゲーがっ!!!」


 俺の名は金川祐介。かねかわゆうすけ

 知る人ぞ知るVRアクションファンタジー『戦場のスラヴァ』の廃プレイヤーである。


 大学生の時にこのゲームをはじめてから5年。

 今日も数時間の格闘の末ヒロイン死亡&バッドエンドルートに突入し、VRゴーグルを投げ捨てた。


「せめて初期ヒロイン3人の生存ルートは用意すべきだろ…!なんで序盤の山場でんだよ……」

 

 『戦場のスラヴァ』のストーリーはごくシンプルだ。


 主人公は獣人と人間が共存する『スラヴァ王国』に住む人間の青年、ペトロ・オレクシー。

 彼が絆を結んだ仲間と力を合わせ、獣人が支配する軍事国家『第二次ヴラス帝国』の侵略に立ち向かう戦記もの。


 VRゴーグルを装着して体を動かしながらプレイし、仲間に指示を出しながらモンスターや敵の兵士と戦う。

 戦争と言っても使うのは剣と魔法がメインなのでとっつきやすい。


 このように一見手堅い作りに見えるが、クソゲーだっ!

 

  ──『3キロを10分以内に走る鍛錬クエスト』など求められる身体能力がVRゲームの範疇はんちゅうを超えている。


  ──難易度がバグっており序盤から100回死んでパターンを覚える難関クエストまみれ。


  ──選択肢を1度ミスると999個あるバッドエンドルートに突入。


  ──フラグ管理までバグっており、1つだけあるとされるハッピーエンドに到達不可。


 『意気込みは認めるものの色々バグってる戦争死にクソゲー』として初週1000本以下の大爆死。

 制作会社ごとゲーム業界の闇に姿を消した。


 ……そんなクソゲーに何故こだわるのかって?

 





 ヒロイン3人が個人的にツボなんだよ!

  

「戦うのは怖いです。でも、隊長さんと一緒なら…ミラは頑張れます!」

 

 青い髪と狼の耳を持つ獣人の娘、ミラ・クリス。


「もう。あんたはあたしの相棒なんだから、しっかりしてよね?」


 赤髪と勝気な態度が印象的な人間の娘、アナタスタシア・コザーク。


「この国と民の未来を、あなた様に託します」

 

 金髪で盲目のスラヴァ王国王女、ユリヤ・スタラヤドガ・リューリク。


 ゲーム開始時に絆を深める3人のメインヒロイン。

 それぞれに過去があり、戦う理由があり、主人公に寄り添ってくれる。 


 ハッピーエンドがないなら、せめてこの3人と最後まで戦い抜くルートが欲しい。

 

 が、制作陣は無情である。


 プレイをある程度進めると発生する特別クエスト『キーウィ防衛戦』は、必ず失敗に終わる負けイベントだ。

 そしてヒロイン3人も死亡する。

 

 10000時間近く研究したが、多少展開が変わるだけで3人の死は絶対に覆らない。


 その後新しいヒロインが登場して第二幕となるが…最近はほぼプレイしてない。

 進めても最後はバッドエンドだし。

 

「グチグチ言っても仕方ない。また明日だな」


 俺は寝る準備をはじめる。

 大学を中退して以降、このゲーム以外はほとんど何もしてない廃人兼フリーターだが構うもんか。


 このゲームは確かにクソゲーだが、俺の生きる理由そのものなんだから。


「プレイ時間10000時間突破を確認。プレイヤー名、金川祐介。エクストラモードに突入します」


 突如として響き渡る女性の機械音声。


 VRゴーグルからだ。  


「あなたなら救えるかもしれません。滅びゆく王国を、死にゆく少女たちを」


 何が何だか分からないままー、


「幸運を」




 俺は意識を失った。

  

 

 ****


 

 読んでくださりありがとうございます!

 コンテスト用作品なので10万文字以上は絶対に公開します。

 もし気に入ればコメントや☆をいただけると作者が幸せになります!(^^)!


 ファンタジー部門では☆212までしかとったことがないのでそこまでは行きたい! 

 

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