第41話 ヒトをダメにする……

 オレの名前は『みたらし』。

 二歳の柴犬だ。


 オレの目の前に、小山こやまがある。

 今日、パパさんが買ってきたものだ。

 結構デカい。


 ビーズクッションというものらしい。

 的なモノ、らしいんだけど、的なモノってなんだろ。


 パパさんとママさんがハシャギながら交代で座っている。

 座った途端にズボっと身体がクッションにメリ込む仕様だ。


 ねね、オレもやってみていい?


 パパさんが場所を譲ってくれる。


 バフっ。


 おぉ!

 面白ーーい!!

 よーし、今度は掘っちゃおーーっと。


 カリカリ、カリカリ。


 離れて見てたパパさんとママさんが、慌てて立ち上がる。


 およ? なんか爪が引っ掛かっ……サーーーーーー。


 なんか出てきたよ?

 白い小さな粒がいっぱい。

 山が減っこんで……あれ?


 パパさんが青い顔をしている。


 ねね、これ、今度はどうすればいい?


 どんまい、パパさん。

 そして今日も日が暮れる。

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