一分間物語

あしかや 与太郎

第1話

 ここはバファリ王国。人口は一千万。とても大きく強い国。


 国王が、玉座の前を行ったり来たり。


 別室から、元気な泣き声。拍手喝采、大歓声。


大臣「産まれました、男の子です!」


国王「よっしゃ!」


 念願の男の子。五人産んで、男の子は二人目。


大臣「国王、男の子の誕生を、国民に伝えますか?」


国王「いやまだだ。魔女の森にいる占い師を呼べ」


 数日後、占い師はやって来た。勇者の顔をじっと見つめた。


 占い師はボソボソと、大臣に話す。


大臣「国王と、二人きりになりたいそうです」


国王「良いだろう」


 部屋からみんな出て行った。二人きりになると占い師は、静かに首を横に振った。


国王「なぜだ!?」


 占い師は、静かに話し出した。

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