第53話 コロナ発症の備忘録(終)

 母の体調が悪く、熱も37.8度。

 どう考えても、私から感染したとしか思えません。

 まずは、父が掛かりつけ病院に電話で連絡。

 が、妙なことを言われました。

「家族感染と思われるので、まずはコロナ相談センターに連絡を」とのこと。

 

 ……良く分かりませんが、言われるままに私と父の電話での格闘が始まりました。

 やはり、例によって繋がらない!

 二人で20分ほど掛け続け、ようやく私が繋がりました。

 病院からの指示を伝えると、相談員の方は「そうですか?」と不思議そうな様子。

「いや、病院で検査を受けて下さい。その病院は、コロナ検査の指定病院ですので」


 ……何だか分かりませんが、どうも要らぬ手順を踏んだようです。

 再び病院に電話し、相談センターの返答を伝えると――検査を受けることになりました。

 この日からコロナの届け出方法が変わり、病院側もドタバタしていたようてす。


 とりあえず、父が母を病院まで送って行き――結果は陽性。

 母の場合は、病院が保健所に連絡し、毎日保健所から健康状態チェックの電話が来るそうです。

 そして……またもや、父は出勤停止です。


 実は、前日の『マイハーシス』の連絡事項爛に「母が感染したかも知れない」と書いていました。

 感染していた場合、私は濃厚接触者に該当するのかを確認したかったからです。

 それに電話が繋がらないので、向こうから連絡をくれる方が早い、との判断です。

 予測通り、午後に保健所から電話が来ました。

 私の療養期間が過ぎても、私が濃厚接触者扱いになるのか訊ねると「再感染の危険は薄く、後は職場の判断次第」との返答。

 検索すると、この辺の判断は自治体によっても分かれているようです。


 母の療養期間は10月2日までですが、母の持病を考えると、体調が戻るのはそれより後になりそうでした。


 かくして父は10月3日から出勤。

 私は、10月5日から出勤することになりました。


 10月4日現在、母の体調は戻ってはいませんが、入院もせずに生きていることが奇跡だと本人は言います。

 私も、食欲が少し戻って来ました。

 どうにか、明日から出勤できそうです。



 ここで、総括しますと――コロナ相談センターの電話の繋がらなさが辛かった!

 体調が悪いのに、頼りになりそうな相談センターにリダイヤルを続けるのは、心が折れます。

 多い時は、数百人単位で感染者が出たので仕方ないかも知れませんが……。


 それと、保健所の電話対応です。

 母の健康観察は、毎回違う方が電話をくれたのですが、「ひとりだけ不親切な職員がいた。冷たい感じだった」とのこと。

 ただし、最終日の10月2日に電話を下さった方の対応に、母は感激してました。

 中年の男性で、入院せずに回復してくれたことを喜んでくれて、「電話の向こうでお辞儀をしてくれていたようだった」そうです。

 

 

 なお、支援物資は母の分も頂きました。

 母は断ったのですが、「いえ、お届けしますので」と言われて、家に発送して貰いました。

 中身は、私の時と少し違っていました。

 味付け海苔が無くて、魚肉ソーセージが入ってたかな。

 袋麺も5食入り2袋ずつでしたが、袋麺は1袋で良いから、レトルトご飯セットを増やしてくれた方が良いと思いました。

 実際、袋麺は療養期間中には手を付けませんでした。

 今は袋麺セットも高いので、レトルトご飯5個セットと値段は大差ないですし。

 あるいは、カップ麺にしてくれる方が、煮る手間が省けて助かります。


 そして、熱が37度を超えた場合、ホテル療養は無理です。

 家族が居て、感染防止のために無症状の方が入るのは有り。

 けれど陽性で熱があると、動くのも飲み物を摂るのも、しんどいです。

 まして、配食がお弁当なら、とても食べられません。

 しかし、家族への感染を考慮すると、難しい判断を迫られます。

 私は自宅量寮を選び、母が感染しましたが……ホテル療養していたら、どうなっていたか考えさせられました。



 また、今も感染者はゼロではありません。

 経済を回すのも大事ですが、感染は日常生活の破壊です。

 元に戻るには、膨大な時間が必要になります。

 元に戻らない場合もあります。

 テレビや新聞で報じられる感染者・死者の数値の陰に潜むものを自ら体験し、人生観にも影響しました。


 

 私のコロナ発症備忘録は、これにて終了します。

 書き忘れ、記憶違いの部分もあるかも知れませんが、ご容赦ください。

 それと……私も母も、味覚障害は起きませんでした。

 髪の毛の抜けも、それほど感じなかったです。

 

 とにかく、皆さまもお体の状態に注意して、日々をお過ごしください。

 最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。

 少しでも参考になれば幸いです。



 ――追記です。

 昨日、母が仏壇の蝋燭の蝋の垂れ方が変だと言いました。

 私は見ていませんが、この形の垂れ方は縁起が悪いとのこと。

 母は蝋燭を変えましたが、「この蝋燭が身代わりになって、自分たちは入院せずに済んだかも知れない」と言いました。

 そういうことも、あるのかも知れませんね……。



 さらに追記です。

 午後4時頃、手違いで保健所から援助物資が届きました。

 宛名は、母です。

 まだ、保健所も混乱しているのでしょうか。

 もちろん、受け取り拒否をしました。

 後で何かあったら、大変ですから。

 援助物資は、税金から用意されているでしょうし。



 ――終わり。

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