春はあけぼの、夏は夜

第1話 小春が、小春が、小春が

　日記を始めますので、よろしくお願いします。

　昨日、急に思い出したこと。

　去年だったか、ＢＳにてアイドルと思しき少女たちが出演するドラマを、たまたま観たのですよ。

　舞台は高校っぽく、腕や肩にプロテクターを付けた制服少女たちが、プラモデル銃で撃ち合いをしとりました。

「何すか、これ？」と思いつつ鑑賞していると、カラフルウィッグのアンドロイド少女（？）が、制服少女に指示を出してます。

　アニメでは、決して珍しくは無い設定でしょう。

　が……何より驚いたのが、間に挟まるＣＭ。

　学校の机でドラマの主人公少女が、暗い中でドラマ中で使う銃を組み立てるだけのストイックな内容。

　それだけならイイのですが、このＣＭが繰り返し・繰り返し・繰り返し流れます。

　他のＣＭはいっさい流れない潔さ！

　七回ぐらい流れたんじゃないでしょうか。

　おかげで、渋声のナレーションの一部「小春がウンヌン……」が頭の中で渦を巻きました。（小春、は主人公の名）

　見終わった後に、「来週も（怖いモノ見たさで）観てみるか」と思ったのですが、翌日にはドラマのことはキレイさっぱり忘れていました（単純）。

　しかし、たま～に「小春が、小春が、小春が」のナレが脳内に蘇るのです。

「いつか、あのドラマについて調べてやるぜ！」と思いつつも、数分後には忘却。

　ところが昨日、またも「小春が、小春が、小春が」のフレーズが頭に浮かび、ＰCの前に居たこともあって、さっそく検索。

『小春』『銃』『ゲーム』などのキーワード検索をして、間もなく例のＣＭを発見！

　見返すと、ＣM中では「小春が」は一度しか言っていません！

　繰り返し・繰り返し・繰り返し観たせいで、一本のＣＭ中で「小春が」を何度も連呼していたと思い込んでいたようです。

　記憶なんて、こんなものである――と実感した話でした。