異世界から戻ってきたらもう1人の俺が英雄になっていた、そして勘違いした美少女達が集まってくる。
耳折
第1話
「あ、すまんのう!人違いじゃったわ!」
「…………は?」
「だから人違いじゃ、お主じゃなくて別な奴を転生させるつもりじゃったのよ」
工場勤務からやっと解放され12時まで働き、そこで泥の様に眠った俺だったが起きたら見たこともない大自然の中。
そして突如巫女服っぽい服を着たほぼ全裸幼女に最初は『お主が異世界で必要なのじゃ』とか『どんな力が欲しいのじゃ?』とか言っていた癖に『なんじゃ……えっ!!こいつじゃないですと!?……はい、はい……承知しましたなのじゃ、そう伝えておくのじゃ!』とか社会人かお前は。
「じゃったのよ、じゃないだろ!じゃあ俺はどうなるんだよ!」
「あー、すまんがそのまま元の世界に戻ってもらうしか無いのぅ」
「ってことはスキルとかチートとかも貰えないのか?」
「当たり前じゃろ!あれ結構高いんじゃからな!」
……神様、チートスキル買ってんのかよ。
「神様も間違いはあるということじゃ、それじゃすまんがさよらなじゃ……もう2度と会うことも無いじゃろう。じゃあのー」
「お、ちょ、待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
………
……
…
「はっ!?」
なんだろう、今何かとんでもないことが起きていた気がするが……夢か?
「というか、ここどこだ?」
俺がいたのはよくわからない川の土手。
確か家に帰ってベッドで寝ていたはずだけどな。
すると、太陽が沈み始め辺りが暗くなり始める。
「もう夜か、何か損した気分だな……」
まぁいい、今日は休みだ。
早く帰ってのんびり猫と戯れながら家で焼き肉でも……
「……スカイタワーってこんなデカかったっけ?」
遠くに見える東京スカイタワー、それがやけにやけにデカく見えた。
前見た時の倍近い高さはあるんじゃないか?
太さも5倍はある気がするし妙に歪だ。
まだ寝ぼけてるのかもしれない。
「顔でも洗うか、近くの公園は……」
スマホを取り出そうと思った時だった。
名前 高橋英樹
【スキル、エクストラスキル、ユニークスキル】
なし
【アイテムボックス】
なし
「おうわぁぁぁぁ!?」
突如現れたのはゲームの様に出て来る様なスキル画面、それは宙に浮き半透明だった。
スマホで何か調べようと思っただけでそれは現れた。
「え……何これ……最新式のスマホ?いつの間に?ってか高橋英樹って誰?」
「朝から煩いな……どうしたってんだ?」
「え、あ、すいません……」
気づかなかったが横で寝ている人がいた。
筋骨隆々、まるでボディビルダーだ。
「あの、この何か宙に浮いてる奴って……」
「ん?お前……いや、真似野郎か」
「え?真似?」
「気にすんな、でスキルがどうかしたのか?」
「って、やっぱりスキルなんですねこれ……」
「お前……なんか変だぞ?さては
「は?
ゲームの話?
最近ゲームはしていないし、何のことだ?
「記憶欠落、
「は、はぁ……」
何を言ってるのかさっぱりだ。
「にしてもやっぱり英雄様には憧れるよなぁ、お前みたいなファンはめちゃくちゃ多いしわからなくもないけどな」
「あの……すいません、何を言ってるのかよくわからないんですけど……」
「そこまで記憶欠落してんのか、なら百聞は一見に如かずだ」
男は宙に浮いたステータス画面を操ると俺に何か新聞記事の様なものを見せてきた。
そこに書いてあったのは。
『英雄藤原公平、99つ目の
…………え?俺の名前?
「次はこのダンジョンだろうな、あんたも見に来たんだろ?英雄様の
目の前に聳える東京スカイタワーだと思っていたソレ。
それをダンジョンだと断言する男が目の前にいるものだから、俺はまだ夢の中なんじゃないかって思うしかなかった。
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