意味不明DO
エリー.ファー
意味不明DO
「あれ、なんですかね」
「なんだろうね。よく見えないけど」
「近くに来て欲しいですね」
「まぁ、でも。なんでもいいでしょ」
「いや、気になるじゃないですか」
「気持ちはわかるけど」
「回転してません」
「え」
「あれ、回転してますよね」
「あぁ、確かに回ってるかもね」
「あと、光り出しましたね」
「うん、赤い光だね」
「UFOだったりして」
「まさか」
「でも、あんなもの見たことありますか」
「ないけどね」
「大きそうですよね」
「うん、大きいことは間違いないね。なんのために浮かんでるんだろう。何か監視しているのか、どこかに何かを運搬している途中なのか」
「あっ、消えましたね」
「本当だ。あれ、なくなっちゃったね」
「どうしましょうか」
「どうしましょうと言われても。まぁ、何もできないよね」
「撮っておけばよかった」
「そうだね。そうしたら、どこかに聞くこともできたのにね」
「凄いものを見た気がします」
「あれ、やっぱりUFOですよ」
「その根拠を教えてほしいな」
「私の友達に話したんですけど、皆、そう言いました」
「じゃあ、そうかもね」
「思ってないですよね」
「思ってるよ。本当だよ」
「ニュース、見ました」
「ニュースは見ていると思うけど、何のニュース」
「UFOのニュースですよ。山梨県でUFOが発見されたって」
「目撃じゃないんだ」
「そうなんです。乗り捨てられたUFOがあったんですよ」
「あ、そう」
「信じてませんね。テレビが言ってたんですよ」
「テレビが言ってた、か。まぁ、それなりの信憑性はあるだろうね」
「私たちが見たのもUFOだったんですって。これで確定ですよ」
「確定とは言えないでしょ」
「もう、認めちゃいましょうよ」
「別に認めて欲しいなら、認めるけど」
「そういう感じじゃないんですって」
「じゃあ、どういう感じならいいの」
「なんていうか、もっと前のめりな感じで。それで、驚いた表情で。それから」
「注文が多いな」
「だって、だって」
「東京が宇宙人に奪われました」
「それで」
「知ってますよね」
「知ってるよ」
「じゃあ、私たちが見たのはUFOですよね」
「それはどうか分からないよね」
「なんでですか」
「UFOはあった。宇宙人はいた。東京が奪われた。そこまでは分かるよ」
「はい」
「でも、あの時見たものはそうであるかは、断言できないよね」
「なんで認めないんですか。こんな状況になったのに」
「今現在の状況と、あの時の状況は別だし、そもそも問題として別でしょ。同じジャンルでも、別個だから」
「地球が宇宙人に侵略されましたね」
「そうだね。ぼろぼろというやつだね」
「空は、UFOで埋め尽くされていますよね」
「まぁ、未確認飛行物体ではないから、宇宙船と呼んだ方がいいと思うけどね」
「地球という名前も奪われるかもしれませんね」
「まぁ、国ごとにアースとか別の言語で呼んでいたわけだし、そこは変わらない気がするけどね」
「細かいことはいいんです。では、いきますよ」
「はいはい」
「あの時、私たちが見たのは」
「ねぇ」
「なんですか、今、質問しようと思ったのに」
「それ、まだやるの」
「やりますよ」
意味不明DO エリー.ファー @eri-far-
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