第6話 労い
「はぁ~、都市の外での活動も大変なのね」
「変に気を遣うから嫌な疲れ方だよ」
蝙蝠女を討伐して帰宅したカオルを待っていたのは深夜にも関わらず起きていたヤ・シェーネが用意したミネストローネだった。
インスタントだが自分の為に用意された暖かい食事に癒され机に身体を預けて休んでいる。
土産はヤ・シェーネに渡したが彼女はカオルの休憩を優先して土産は冷蔵庫に仕舞い同じ机に着いている。
「なんか、羨ましいと思ってたけどそうでもないね」
「まあそんなものだよ。正直、こんなに疲れるとは思ってなかったし」
「私を引き取る前に東京での仕事は無かったの?」
「あったけど今回みたいな内容じゃなくてね、今までのモンスター討伐と変わらない仕事だったんだ」
「今回はゲームとかでよくある侵入任務的な?」
「そうそう」
「それは疲れそう」
「緊張感がね」
「あ~。確かにステルスゲームって神経疲れる」
「それそれ」
2人で笑い合ってカオルがミネストローネを飲み干す。
それをみてヤ・シェーネがお代わりを用意しようと腰を上げかけたがカオルが首を振って止めた。
「ありがと。でも寝る前だしこれくらいにしておくよ」
「うん。お風呂、入れそう?」
「うん。明日が休みで良かったぁ」
「私も今日と明日は配信はしないし、気が楽」
「ふふん。労働の中の休日の味を知ってしまったか」
「何を言ってんの。あ、背中流してあげよっか?」
「は?」
突然のヤ・シェーネの提案に間抜け面を晒したカオルだが直ぐに頭を振って気を取り直す。
「男だって言ってるだろ。一緒に風呂なんて危ない事はするな」
「あ、急に男言葉を強くした」
「当然だ。危機感が無いにも程がある」
「普段から部屋に入って寝込みに近づいてくるクセに?」
「そりゃ保護者として、君に仕事をさせる為だ」
「それには感謝してるけどさぁ」
「膨れっ面しない」
「無視するなら同居人に毎日寝込みを襲われてるって言ってやる」
「こら」
「冗談冗談」
目を細くするカオルに口を尖らせるヤ・シェーネ。
普段はこんな会話はしない。
ヤ・シェーネの妙な態度に疑惑の視線を向けるカオルにヤ・シェーネが降参したように両手を上げた。
「ちょっと意地悪したくなっただけ。1人で東京行ったの羨ましかったし」
「なら良いけどさ」
「ゴメンゴメン。でも何かお礼をしたいってのは嘘じゃないから」
「ん?」
「ちょっと思うところがあったの。今日、親から手紙が来ててさ」
「あ~、本当は先に見なきゃいけなかった?」
「まぁね。でも負担になるのは分かってたし、特別な内容でも無かったし」
「聞いても良いの?」
「あ、ちょっと口調戻った」
「茶化さない」
「はぁ~い」
わざと軽い口調で返してヤ・シェーネはリビングの小さな棚から手紙を取り出し机に置いた。封筒に2枚綴りの手紙が入っており、シャーペンで直筆のようだ。
内容は娘を心配しているようで、実際には世間体を気にしているような内容に見える。
読んでいてあまり気持ちの良い内容でもないのでカオルは読み込むような事はせずに適当に斜め読みして手紙を返した。読み手によって印象は異なるだろう内容なので感想を伝える気は無い。
「ん、ありがと。さて、そろそろ風呂に入るよ」
「うん……ねえ?」
「ん?」
「やっぱり一緒に入っちゃダメ?」
「……ちょっとヤ・シェーネさん」
「……えへへ」
「……」
「……」
「分かりました」
「……ありがと」
手紙への感想はヤ・シェーネも似たり寄ったりだったのだろう。多分、今は誰かの温もりが欲しいのだろう。
その気持ちが分かる程度にカオルも似たような経験はあり、隔離都市では当たり前の事だ。
幸いだったのはカオルの肉体が完全に女のものだという事だろう。手を出そうにも最後の一線は物理的に超える事はできない。
そもそも女の身体だからヤ・シェーネの引き取りを受け入れたのだ。ある意味で危惧していた状況が起き、リスク管理が功を奏したと考えるべきだろう。
そう気を取り直してカオルは席を立った。
続くようにヤ・シェーネも席を立ち、それぞれが自室で着替えを用意する。
先に用意ができたカオルはヤ・シェーネを待つ事はせずに服を脱ぎ始める。普段は洗面所には鍵を掛けるのだが今日は掛けない。
下着姿になったところでヤ・シェーネが洗面所の前に着き、気恥ずかしさに2人で顔を逸らす。
「何か、ゴメン」
「いや。男とはいえ恥ずかしいな」
「ブラまで着けて完全に女じゃん」
棒読みで洗面所に入るヤ・シェーネも直ぐに服を脱ぎ始めた。
外出していたカオルとは違い彼女はシャツの下は裸のようで直ぐに肌が露になる。
カオルが狭いと迷惑そうな視線を向けるがヤ・シェーネは意図的に無視し、むしろ距離を詰めてくる。
「な、何だよ」
「ちょっと気になって」
そう言ったヤ・シェーネがカオルを壁に追い詰める。
状況が読めずに目を白黒させているカオルだが、身長はヤ・シェーネの方が少し高く覆い被さられるように動きを阻害されてしまう。
「おい、風呂に入るんだろ」
「そうなんだけどね」
下着姿のカオルを上半身裸のヤ・シェーネが抱き締め額を合わせて身体を密着させる。
最初は困惑したカオルだが5秒もせずに身体の力を抜いてヤ・シェーネの腰を軽く抱き寄せた。
何とか自分のブラと互いのショーツを脱ぎながら彼女の耳元で呟いた。
「甘えん坊め」
「温かい」
背中に指を這わせるように小刻みに身体を震わせるヤ・シェーネとの密着度をなるべく変えないようにカオルは浴室に移動した。
湯舟は張ってあるので桶を使ってヤ・シェーネとまとめて軽く身体を流し湯に浸かる。
流石にカオルは座る姿勢なので入る動作の最中に密着は出来ないが人肌が恋しいヤ・シェーネが直ぐに正面から抱き着いてきたので状況は変わらなかった。
頭を撫でながら髪に指を這わせてみるとくすぐったそうに身体を震わせ耳元で吐息を吐くので落ち着かない。
「耳がくすぐったい」
「あ、ゴメン」
「良いけど、ちょっと我慢できない」
そう言ってカオルはヤ・シェーネの首に吸い付いた。
驚いて固まるヤ・シェーネの反応を楽しむ様に舌を這わせ、尻に手を伸ばし軽く撫でる。
「え、あ、ちょっ!」
「本当に女の身体で良かった」
困惑から抜け出せないヤ・シェーネは無視して今度はカオルから身体を密着させる。
互いの胸が重なり、先端を押し付け合うように背中を掴んで引き寄せる。
そのままヤ・シェーネの暖かさを楽しんでいるとヤ・シェーネがカオルの頭を掴み、唇を重ねてくる。最初は唇を当てるだけ、何回か繰り返し、やがて舌で相手の唇を舐める。
「は、ん、はぁ」
始めての感触に戸惑うような吐息だが、その感触が心地良いのか自分の息切れも気にならないようにカオルの感触を求めてくる。
歯止めが聞かなくなったのはカオルも同じだ。女の身体になって半年、ある種の禁欲生活に限界が来ていた。
尻から手を離し、ヤ・シェーネの髪に手を伸ばして彼女の舌に自分の舌を絡める。
驚いて反射的に下がろうとするヤ・シェーネを押さえつけ、背中を抱いていた手で胸を掴む。
掌全体で弱く絞るように揉み、指先は先端を転がすように別に動かす。
敏感なのか先端を弾かれる度に小さく震えるのが面白くて唇を離してヤ・シェーネと身体を入れ替え馬乗りになる。
「煽ったんだ、文句を言っても聞かないからな」
嗜虐心に満ちた笑みでヤ・シェーネを見下ろし、彼女の少し怯えた顔に手を伸ばす。
口の中に人差し指を侵入させて舌を撫で、逆の手で胸を掴み今度は強く絞る。
痛いのか驚いたのか大きく仰け反るのが面白く、顔から手を離して身体を抱き寄せ乳房にキスをした。
噛むことはせず、口を開いたまま歯の硬さを乳房全体に覚えさせるように舌と共に撫でていく。
先端や筋を刺激する度に反応する素直さに悪戯心が刺激され、両手で尻を抱える。
乳房と尻を同時に刺激され続けたヤ・シェーネはカオルを抱える様に抱き着き遊ばれている。
次第に口を閉じていったカオルがとうとう先端を甘噛みし、カオルを抱える手が一気に圧力を増した。
「ん~~~~~っ」
そのままの状態でカオルは止まる。
大きく肩で息をするヤ・シェーネの反応を待っているようだ。
やっと呼吸が落ち着いてきたヤ・シェーネが手を緩めて胸元に顔を埋めるカオルと視線を合わせる様に顔と身体を離す。素直に応じたカオルと視線が合うが、直ぐに身体を抱き寄せられた。
今度は最初から先端を甘噛みされ、舌で何回も転がされる。
今まで手加減されていたと分かるが、分かっても抵抗の仕方が分からない。
歯で挟むだけでなく、左右にノコギリのようにスライドして刺激され、尻も開いたり閉じたりと変化を持って刺激される。
反射的にカオルの肩に手を置いて押すが、全身を密着させているので上手く押せていない。
殆ど抵抗らしい抵抗もないヤ・シェーネに気が乗ったカオルは更に彼女を追い込む。
尻の割れ目に指の腹を当て、股の前に向けて這わせていく。
そんな部分を触られた事が無い少女は未知の感覚に驚き腰が震えて浮く。
一瞬だけ手が離れ、元の位置に戻れば尻がカオルの片手にすっぽり収まった。
今度は腰を抑えられ、逆の手が腰の正面に移動する。
遠慮無しに撫で上げられ腰が震えて手から離れようとするが、尻を抑えられているので逃げられない。
今度は腰の前後を執拗に刺激され、天井に向けて声にならない悲鳴を上げる。
「あ、ああ」
「初めてだった?」
「う、っく、あ」
少しだけ涙を浮かべたヤ・シェーネにカオルの質問に応える余裕はない。
答えが無くてカオルは初めてだったのだろうと予想して手を動かし続ける。
乳房を刺激するのは一端止め、天井に向けて吐息を漏らし続ける様子を眺める。
割れ目を開き、露出した豆を突いてみれば背骨が折れるんじゃないと心配になるほど仰け反った。
尻を掴んでその肉厚さを楽しみながら、股に指を当てる。
豆を突いた時とは違い、戸惑ったように身体を震わせ今度はカオルと視線を合わせてきた。怖がるように顔を横に小さく振り、その姿に余計に嗜虐心を煽られる。
ただ流石に理性が残っている。
体内に指を侵入させるような事はせず、入口を小さく突きながら豆や割れ目を撫で乳房を舐めるに留めておく。
カオルの意図が通じたのかヤ・シェーネの身体から緊張感が抜け、同時に今まで以上に強く全身を刺激され仰け反った。
豆を強く抓み、乳房の先端は軽く噛まれ、尻も強く握られる。
「やっ、痛っ」
仰け反る身体を支えずに仰向けにさせ、今度は腰を浮くように抱いて股に顔を近づける。
状況に気付いたヤ・シェーネが羞恥心で顔を手で覆い隠す。
その手を剥がしてみたい気になるが、先に毛が無く剥き出しになった割れ目が見やすくなるよう彼女の脚を両手で押し退けた。
羞恥心で力一杯閉じようとしているが腰が浮いているせいで力が弱い。腰を抱える様に強引に持ち上げ、露になった割れ目に吸い付く。
「ああっ」
今まで以上に戸惑っているのだろう、快楽というよりも驚きで身体が大きく震える。
それでも羽交い絞めのように腰を掴んでいるのだ、逃がすような事はせずに露出した豆を舌で撫でる。
今度こそ快楽で腰を震わせるのを確認して、舌で撫でる。
「あ、嘘」
顔を隠したまま指が開いてヤ・シェーネと視線が合う。
そんな所まで弄られないだろうと安心していたところにこれだ。
絶望ではないが、困惑と恐怖が目に宿っている。
その目をもっと歪ませたくて、舌を入れた。
身体の内側に異物を入れる感覚に恐怖を感じながら、今まで与えられた快楽によって身体は温まっている。
自分の感覚とは裏腹の快楽に混乱しているのが分かる程度にヤ・シェーネの目は素直だ。
大きく舌を回転させて驚かせる。
もっと奥まで舌を伸ばす事はできるが、今はまだ入り口付近だ。
腰は抱えたまま、口を離す。
反射的に足を閉じようとしているが、豆を舐め上げて仰け反らせる事で閉じさせない。
遊ばれていると自覚させてから視線を合わせ、悪い笑みを作って見せた。
始めてみせた顔に恐怖で更に顔が歪むのが分かる。
「怖い」
殆ど音になっていない呟きだが口の動きで大体察する事ができた。
その反応が嗜虐心を煽っていると自覚はあるのか疑問だが、今更止まるつもりは無い。
見せつけるように舌を出しながら顔を股に近づけていく。
抵抗するにように足が震えて腰が左右に暴れるが、姿勢は圧倒的にカオルが有利だ。
触れる直前、今まで1番大きく腰に力が入ったが、今度は抵抗させない。
尻を掴んでいた手から指を少し伸ばして割れ目、そっちの穴の上を突く。
知識はあるだろうが、こっちは自分で弄った事すらないだろう。
パニックに近い形の無い感情がヤ・シェーネの目に浮かび、その隙に股に吸い付き舌を最大限に伸ばした。
「んああっ!」
今度こそ身体の内側からの快楽に声が上がった。
容赦無く尻の穴にも指を突っ込み、掻き回す。
「や、嫌!」
羞恥心で顔を隠している余裕すら無くし本能的な拒絶でカオルを押し退けようと手を伸ばす。
見越していたカオルは浴槽の中で立ち上がり、ヤ・シェーネが逆さまになるように位置を変える。
引き篭もりのヤ・シェーネに抵抗の仕方が分かる訳もなく、彼女はただ快楽と恐怖心に喘ぐ事しかできなかった。
普段は困った顔をすれば距離を取ってくれたカオルは、今日は全く自分の言う事を聞いてはくれなかった。
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