沈みそうでも頑張りたい
仕事が詰まってるのにTwitterが沈みそうで戦々恐々としている。俺は今、Twitterは主に見る専門で、ニュースフィードとしてしか使ってないけど、Webライターにとって情報収集は命綱だ。使えなくなったら本当に困る。仕事用のアカウントもあるし。
狭山さんのDiscordにもフリーランスの人が多く、拠点や宣伝に使う代替サービスをどこにするか話題になっていた。俺はblueskyが気になっていると発言したら、狭山さんが招待コードをくれたので、ありがたく頂いてアカウントを作った。でもユーザー数で言うとThreadsが圧倒的なので、そちらも様子を見るためにアカウントを作った。
どこをどう使えばいいやら。Twitterに依存していたのがよくないと言えばそうなのだが。
一段落して、千歳が作っておいておいてくれたおやつの豆腐白玉あずきを食べながら俺はつぶやいた。
「千歳、大丈夫かな……」
少し遅くなるとLINEがきたのだが、ルピシアで知り合った人と一緒に専門店に行くとのことだったのだ。千歳、ずっと閉じ込められてた割にコミュ力あるんだよな。
まあ、千歳なら変なことされても振り切れる力あるけど、素直すぎる所もあるし、知り合ったのが悪い人じゃないか心配だ。気をつけて帰ってきてと返事しておいたけど、もっとちゃんと言っとくべきだったか。
俺の心配をよそに、千歳は大荷物で帰ってきた。
『ただいま! ちゃんと紅茶に詳しい人に聞いて買えたぞ!』
「おかえり! あ、おばあちゃん用の、置いといてくれたら後は俺やるから。自分のお菓子も買ったの?」
『うん!』
千歳は元気いっぱいに返事し、それからなぜか、ちょっといたずらっぽい顔になった。
『ワシは寛大で慈悲あふれる怨霊だからな、たまにはお前に優しくしてやらんでもないぞ』
「うん?」
千歳の言いたいことが飲み込めなくて、俺はきょとんとした。
千歳は紙袋をあさって、俺にお菓子の包みを差し出してきた。
『お前にもお菓子買ってきてやった! レモンジンジャーブレッドっていうんだって!」
「え、俺にも?」
「うん! 油少なめだからな、たくさん食べても大丈夫だぞ!』
「え、ありがとう……」
千歳にはよくしてもらってばかりだし、全然狭量じゃないと思ってるけど、俺の体に気を使って選んできてくれたお菓子なんてとってもありがたいので素直に受け取った。俺レモン好きだし、ジンジャーエールとかガリも好きだから、多分これも好きな味だな。
「夕飯の後、一枚味見してもいいかな?』
『何枚食べてもいいぞ、お前はがんばってもっと太れ!』
千歳に肩をどやされた。
……ああ、なんか、やっぱり、俺を気遣ってくれる人がかまってくれるの嬉しいな。仕事大変なこともあるけど、俺、この人のためにもっとがんばらなきゃなあ。
……そう思っていたので、千歳関連でまたややこしいことが起きても、俺は頑張らざるを得ないことになってしまった。
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