商業乃道

山川一

第1話 エンジニアの立ち位置

 近年、技術の目覚ましい発達と共にエンジニアの役割は増大している。一方で、オタク的な素養と結びつきの深かったエンジニアリングは現代において、その所々で内向きでくすんでいる。ここでは、新渡戸稲造氏の著書「武士道」に学びながら、現代におけるエンジニアの精神とその高い段階について考察しようというものである。

 まずエンジニアの立ち位置について考えてみる。エンジニアは、最終製品を実装する現場の手足であり、発注者ではない。スタートアップやベンチャーなどの自社開発型では、社内に企画・構想を行うリーダーがあり、そうでない場合は社外の顧客がニーズの中心である。

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