第41話 【船を襲う半魚人】ネグロ・ダーグア(O Negro D'Água)
ブラジルで有名な川といえばアマゾン川だが、今回の舞台はサンフランシスコ川である。その川の底には城があり、そこにはネグロ・ダーグアという怪物が
この妖怪の姿は人間に似ていて、背は高くも低くも無く、肌が黒い者もいれば、
ネグロ・ダーグアは酒と
さて、この妖怪は、酒や葉巻のほかにビオーラと呼ばれる楽器の音色が好きで、ビオーラを上手に奏でる音楽家は川底の城にさらわれてしまうといわれている。そのため、月のない真夜中などには、怪物を恐れて静まり返るという。このような言い伝えがあるため、現在でもサンフランシスコ川の船員たちは、酒や葉巻を持って船に乗り込み、それらをネグロ・ダーグアに
また近年、バイーア州のジュアゼイロ (Juazeiro) では、サンフランシスコ川の中に、全長12メートルになろうかというこの妖怪の銅像が立てられ、ちょっとした観光の目玉になっている。この銅像の作者はレド・イヴォ・ゴメス・ジ・オリヴェイラ (Ledo-ivo Gomes de Oliveira) という地元出身の彫刻家である。川岸に目をやると、観光客らが銅像の写真を撮っている姿が見られるそうである。かつては恐れられた妖怪だったが、今ではすっかり愛されているようである。
ところで、ネグロ・ダーグアは別名カボクロ・ダーグア (Caboclo D'Água) 又はコンパドレ・ダーグア (Compadre D'Água) とも呼ばれている。ネグロは「黒人」、アグアは「水」を意味しているので、その正体は白人から逃げ出した
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