第35話 【大猿のようなUMA】マピングァリ(O Mapinguari)

 マピングァリは、マピングァリー (Mapinguary) ともいう。アクレ (Acre) 州、アマゾナス州、パラー州などのアマゾンの森にんでいて、日中活動する。夜は眠り、そのイビキは大変けたたましく森に響いたという。


 マピングァリは、体長が2メートルにもなろうという大型の猿のような妖怪で、手の爪が大変長い。全身が黒い毛でおおわわれていて、その毛は水をはじき、刃物を通さないというから、恐らく毛には油でもついていたのだろう。優れた防具となる体毛を持っているものの、顔には毛が生えていない。それゆえ、顔が弱点で、そこだけは傷つけることができたという。


 ある説では、マピングァリは毛におおわれているのではなく、ワニのようなかた皮膚ひふをしているのだともいわれている。その場合でも、顔が弱点であることに変わりがないそうだ。


 さて、このマピングァリは猿の姿をしているが、ロバのような足とひづめを持っている。しかも、足のつま先とかかとは前と後ろが逆になっている。そして、顔には口がなく、腹に口がある。その口で、森に入ってくる狩人かりうどを襲っては食べるという。


 この妖怪はUMAファンに人気があり、近年ではアメリカのビックフットやイギリスのネッシーのように考える人がいる。中には、マピンガリが実在する証拠しょうこを見つけようと、探検隊を結成してアマゾンを捜索そうさくした者もいたという。


 だが、残念なことに、今日になってもマピングァリが実在する証拠しょうこられてはいない。

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