第2話 【幽霊猫】アウマ・ジ・ガット(O Alma-de-Gato)

 アウマ・ジ・ガットとは「猫のたましい」という意味である。名前のとおり、猫の妖怪である。この妖怪はパライバ (Paraíba) 州やリオ・グランデ・ド・ノルテ (Rio Grande do Norte) 州に現れたといわれている。別名、アウマ・ジ・カボクロ (Alma-de-Caboclo) という。

 この妖怪は、ワガママな子供がいる家の裏庭に現れる。そして、日中は体を透明とうめいにしている。そのため、その姿をはっきりと見ることはできないが、猫が存在していることや、庭のあちこちをすばしっこく遊んだりすることを気配で感じとることはできるという。この猫は、夜になると実体を持つようになり、目から強力な光を放ち、不気味な声で鳴く。この妖怪の死体が埋められた場所から育つ植物を食べると、透明とうめいになる力を手にするらしい。

 親や乳母うばは、この怪しい小さな化け猫の話を子供に語り聞かせる。するとワガママだった子供は、夜ふかしをして庭で遊ぶことをやめるそうだ。それこそが、この猫が使う可愛い魔法だ。

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