第2話『なんて???』
おかしい。思っていたのと違う。大体異世界的なところに行ったら現地の皆さんと交流を深めて能力どっかんしてうんぬんかんぬん……。うんぬんかんぬんしたかったのに……。
「え、ええっと……。なんとおっしゃいました?」
「縺ッ繧上o窶ヲ窶ヲ縺薙→縺ー縺後▽縺?§縺セ縺帙s窶ヲ窶ヲ縲ゅ←縲√←縺薙°繧峨″縺溘s縺ァ縺吶°?」
だめだ……言葉が通じない。すごいきれいな声でなにか言ってるけど、なんて言ってるかほんとにわからない……!冷静に考えてみると、こことは違う世界にいるのに言葉が通じるわけないことに今更ながら気づく。どうやら私だけでなく目の前の彼女もわかっていないようで、両耳をふるふると震わせて狼狽えている。な、何とかして安心してもらわないと……。
「あの……落ち着いて……。」
言ってから気付いたけど、そういえば日本語通じないんだった!どうやって無事だって伝えたら……。でも言葉は通じないし……。こ、こんなときは……!
「……え、えいっ!」
「!?」
なんとかしなくちゃいけなくて、でもどうしたらいいかわからなくて、気がついたら私は目の前の少女を抱きしめていた。私より小柄な彼女は私のちんまい胸にすっぽり収まってしまうほどで、その温もりが伝わってきて、なんかいい匂いがして、ふわふわしてて、どきどきしてなにも考えられない。でも……癖になりそう……。
「縺や?ヲ窶ヲ縺ゅ?窶ヲ窶ヲ縲」
私の腕に包まれている彼女の声が、私を現実へと引き戻す。と同時に、私の背中を冷や汗が伝う。
「あっ……ご、ごめん……。」
「縺阪e縲√″繧?≧縺ォ縺ゥ縺?@縺溘s縺ァ縺吶°窶ヲ窶ヲ縲」
私の拘束から解放された彼女は脱兎のように逃げ出……しはしなかったものの、こちらを警戒するように見つめている。ぴんと垂直に立てられた耳を見るまでもなく、明らかに私はやばいやつだと思われている。いくらパニクってしまっていたとはいえ、初対面の、しかも年下の女の子を急に抱きしめるなんて……。嫌われちゃったかもしれない。いやそれより通報?警察に捕まる?異世界だからよくわからないけど……もしかして死刑?教科書の挿絵でしかみたことないようなあれこれで命を……?いつもは「なんとかなるでしょ」で乗り切ってきたけど、流石に今回はそうはいかない気がする……。考えが暗い方へ暗い方へとひとりでに転がり始める。最大級に勢いに乗ったそれはもはや止められなくて……。
「縺医?√∴縺?▲?」
柔らかくてあたたかい感覚に、ふと我に帰る。さっきとは逆に、今度は私の方が彼女に抱きしめられていたことに気づいた。
「あ、あえ……?」
「窶ヲ窶ヲ縺ゅ↑縺溘?縺輔▲縺阪?繧上◆縺励→縺翫↑縺倥a繧偵@縺ヲ縺?∪縺励◆縲ゅ?縺ゅs縺ァ縺薙%繧阪′縺?▲縺ア縺??繧√?」
相変わらずなにを言ってるのかはわからない。
「窶ヲ窶ヲ縺ゅ↑縺溘?繧上◆縺励↓縺薙≧縺励※縺上l縺セ縺励◆縲ゅ%繧後?縺ィ縺」縺ヲ繧ゅ≠縺」縺溘°縺上※縺薙%縺。繧医¥縺ヲ縲√?縺ゅs縺ェ繧薙※縺吶$縺ェ縺上↑縺」縺。繧?>縺セ縺励◆縲ゅ□縺九i縺、縺弱?繧上◆縺励′縺ゅ↑縺溘↓縺励※縺ゅ£縺セ縺吶?」
けれど、それでも彼女の温もりが、その優しさが伝わってくるようで。私がその小さな胸に身を預けると、彼女の細い腕もそんな私を受け入れてくれているみたいにぎゅっと抱き寄せてくれる。いつまでもこうしていたいと思うのは、気恥ずかしくて顔が上げられないからかどうなのか、その時の私にはわからなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます