寿命が数値化された世界で。
おざごん
第1話 寿命が数値化された世界
ピピピピピピッー
重たい瞼を軽く開き、アラームを止める。無理やりにでも体を起こしカーテンを開け日光を浴びる。いつも通りの時間、いつも通りの朝。俺は軽くストレッチをしたあとランニングに行く、朝の日課である。
幼少期から、家族の方針で健康に気をつけるように生きてきて、毎朝のランニングやストレッチ、ご飯などとても気を使っている、今ではもう習慣となっているのでなんとも思わないが。
50分ほど走ったあと再びストレッチ、シャワーも浴びて朝食をとる。現在時刻は7時である。朝のニュースを見ながら15分から始まる占いコーナーを待つ。特に信じている、というわけではないが、学校に行くために外に出る時間としてちょうどいいのだ。
母「最近殺人事件が多いわねぇ、護も気をつけるのよ?」
僕「ありがとう、母さん、大丈夫だよ」
僕らの体に機械が取りつけられるような時代になってから、今年で30年になる。その時60歳だった総理大臣は今も寿命を増やして、未だに総理大臣を続けている。
今の日本人の平均寿命はおよそ81だとか87だとか言われている。ちなみに言うと、俺の残り寿命の数値は1108。これは俺たちの年代だとかなり高いらしい。うちの父は、俺が小学校6年の夏ごろに寿命が尽きて亡くなった。昔は悪さをして、高校生からタバコをすってて、やめられなかったんだって聞いている。俺の前では吸っていたことはないのだが、まぁ気を遣っていたのだろう。幸い父はかなり稼いでいたらしく、今もお金に不自由がない生活をさせてもらっているから親父にはほんとうに感謝している。親父は公務員だったらしいし、俺も憧れて勉強を頑張り公務員を目指している。
さて、そろそろ占いの時間っと、、、お、1位だ!何々…人生の転機が訪れるでしょう、って、なんなそれ笑
俺「じゃあ,母さん、行ってくるね」
母「はあーい、いってらっしゃい、気をつけてね」
家を出て10分後、世界の秘密を知ることになるのを、この時の俺はまだ知らない。
寿命が数値化された世界で。 おざごん @Ozagon
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