【～つまはじきモン～僕の全て】

第1話 画廊での出逢い

僕は……しがない絵描きだ。

自分の画廊も10年かけてやっと

持てたのだ。

僕の絵は……見る人見る人反応が

まちまちだ。

人物画を描いて欲しい。

と依頼が入るのだが、断っている

僕は風景画と言えば聞こえは良いが空の絵を描いている。

空の深い深い深夜に見える

ブルーが好きで……その色に

吸い込まれそうに窒息する。

僕は……今日も筆をとる。

『あ！先生～またぁ？そんな

１文にもならない絵は描いてても

しょうがないでしょう～？

ホントに……』

《《画廊を訪ねてくる人達は

僕の全てを知らないのだから……。》》

コンコン。

扉をノックする音が聞こえた。

振り向くとそこには見かけない

女子高生が……１人、こちらを

うかがいながら

立っていた。

僕が……扉を開けると

『わぁ～。凄い！素敵な画廊

ですね？』

と、興味本位か？と感じさせる

態度を取っていた様に思えた。

『何ですか？学生さん』

僕が問うと……その女子高生は

興奮した様子で……

僕の描いた絵を指指した。

『コレコレッ！！この絵を

はがきで見てから、ずっと探してたんです！』

女子高生は、やったぁ！！と

喜んで

『先生の画を買います！』

と……ゴソゴソとカバンに手を

入れて、財布を取り出した。

『余り……高いのは無理だけど。

先生の画がどうしても欲しいんです。

孤高の絵描きだって巷じゃ

有名なんですよ？』

～孤高の絵描き……？～

僕は初めて、その呼び名を耳にした。女子高生の態度を見ても

嘘をついている様子もない。

『仕方ないな。はぁ～。』

僕はその熱意に押され、1000円

で取り引きをした。

女子高生はとても驚き……

『え？！せっ1000円？マジで……？！』

女子高生は、目をまんまるくして

歓喜の声を出して、

喜んでいた。

『きゃ～～～先生！優しい！

マジで……ありがとう！』

と女子高生にキャンバスを渡して

1000円をもらった。

女子高生は、気を良くしたのか

『先生また来るね！今度は

お弁当持ってくる！！』

と……きゃ～～きゃ～～と

嬉しそうにキャンバスを持って

帰って行ってしまった。

僕は……余りの唐突な出来事に

……ぽか～～ん……としてしまった。と同時に笑いも込み上げてきた。

『あっははははッ！！

しょーがねぇヤツだな？ははッ』

その日は、女子高生からもらった

1000円でランチを食べに向かった。

喫茶店に入り、ランチを食べ

支払いを済ませて

店を出ようとしたときに、

マスターから、

『絵を描いてくれない？』

と……突然な依頼が来た。

僕が顔を上げると、

喫茶店の店内が寂しいから

シンジくんの絵を、是非インテリアにしたい。

との事だった。

喫茶店のマスターは……

予算は10万円前後にして欲しい。

との事だった。

一瞬、金額のデカさに躊躇した

が……

マスターにはきちんと断りを

入れた。

『僕の絵は……全体的に暗い

ですけど？それでも良いですか』

マスターは

嬉しそうに、もちろんだよ！！

と……

また、食べにおいで。と……

力強い握手をマスターと交わし

たのであった。