第7話 ひもあめは勝負

ロクちゃんは紐が束になってて、その先にイチゴやらデカいミカンの形した飴を見つけた。


紅ちゃん、これなーに?


ああ、これか。これはな、紐をひとつだけ選んで引っ張っるねん、そしたら飴が釣れるんよ。

デカいの釣りたいけど難しいねん。

やってみるか?


うん。やってみたい!


おばちゃーーん、この子にひもあめひかせたってー。


どれどれ、いいかい、インチキはいかんよ。

目を瞑って紐を一本だけな。坊主。


ロクちゃんはぎゅっと目を瞑り、一本の紐を引いた。

これ。これにします。


よーし、これだね。

オババは紐を手繰り寄せた。

ありぁー、当たりだよー。

坊主、デカい飴だ。


店にいた子供らは

うあー、すごいぞ!

初めて見たよね。

と拍手喝采。


ロクちゃんは嬉しいような恥ずかしいような

オババは言った。

坊主はいい目をしとるな。

この飴はな、澄んだこころを持つ者にしか当たらないんだよ。

いいかい、大人になっで澄んだ目を持ち続けるんじや。


オババは訳のわかんない呪文を呟きながら

広告で作った紙袋に飴を入れてロクちゃんに渡してくれた。

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