マッスルパウダー

浅貴るお

第1話

「はあはあはあ」

 貴史は息を切らし、物陰隠れて、ピルケースを開けた。

 中にはピンク色の粉が入っていた。その粉をを指で一つまみして、口に含んで飲み込んだ。

 味はまるでしなかった。

「15分」

 薬が効き始める時間。それまで、隠れて居なくてはならない。

 汗が、ポタポタと垂れる。

「後10分」

 ガチャガチャ。

 鍵のかかったドアノブを無理矢理回す音がした。

「ここが、怪しい。斧持って来い!」

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