ひとりごと

ひとりごと

「俺彼女と同棲やめようかな」

心臓がドキリと音をたてる

「なんでよ」

「嫌いとかじゃないけど、生活リズム合わないし一緒にいる意味あるのかなとか思い始めた」

「一緒にいる意味考え始めた時点でアウトよ笑」

わたしだったら一緒にいる意味なんて考えさせないのに

なんて言葉をアルコールと一緒に流し込み、笑い飛ばして話を別の話題に変える

わたしの性格も考えていることも全部分かる彼ならわざと別の話題に変えたことも、わたしの心がチクリと痛んだことも気づいただろう。

彼がわたしのこと全部知っているように、わたしも彼の考えていることは大体わかる。こんなことを言いながら彼女と別れないことも同棲をやめないことも。彼女のことを誰よりも大事に思っていることも。そしてわたしからの恋愛としての好意を望んでいないことも。

でもわたしのことも愛おしく思っていることも

でもお互い口には出さない、

"友達以上恋人未満"なんて曖昧で気持ちの悪い、でもどこか心地いい関係をこれからも続けるために

Fin.