それ以降の話(「カグツチ」の前日譚)
(以降の時代)
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・2072年12月5日
新ソ連の中央シベリア、クラスノヤルスク地方に巨大な隕石飛来(ツングースカ・セカンドショック)。大規模な爆発により広範な被害が発生する。
飛来物は実際には隕石ではなく、のちに地球外ケイ素生命体の卵塊であることが判明。
2日後、孵化。全長10〜15mほどの、クモやカニといった節足動物のような姿をした個体が多数出現。訪れていた調査チームの17人全員死亡。
新ソ連、即日に軍を投入。交戦状態に入る。
地球外ケイ素生命体、アマテラス制空下においても行動可能な飛行ユニットを投入。
航空戦力を持たない新ソ連軍、一方的に蹂躙される。
21世紀に孤立を深めていた新ソ連は弱体化の事実を隠すために国際的な援助を拒否。被害の拡大が急速に進む。
この時点で国際社会は新ソ連領内で生じている事態の詳細を把握できておらず、情報封鎖及びフェイクニュースにより当初は「局地的なバイオハザードの発生」、さらには「新ソ連軍により沈静化間近」と認識されていた。
・2072年1月3日
地球外生命体の先遣隊、モンゴルに侵攻。初めてエイリアンと人類との交戦の状況、さらには殺戮・捕食される人々が鮮明に報道され、世界に衝撃が走る。
以降も航空戦力を持たない人類側の敗走が続く。
国連軍、地球外生命体の呼称として「タイタン」を初めて使用。以降、一般的な名称として普及していく。
・2072年2月10日
第二、第三のタイタン卵鞘が中央シベリアに飛来。
新ソ連軍、事実上の全滅。
戦力を増強したタイタンが清華やカザフスタンにも侵攻開始。
人的な被害急増。1億人を超える。
・2072年3月7日
タイタン分遣隊、ベーリング海峡を越えてついにアラスカに侵入。米国と交戦状態に入る。
米国、秘密裏に開発していたアマテラス制空下の空でも活動可能な航空機を初めて実戦に投入。
・非常に高い能力を持ったAIを搭載していること
・「生物の形態」を伴っていること
の二つの飛行可能条件を満たしたテントウムシ型の爆撃機「レイディ・バード」240機が出撃。7割を失うも、アラスカからタイタンを一時撤退させることに成功する。
国際社会、米国の戦果を見て急遽「戦闘機」の開発に着手。
「第六世代」と呼ばれる、主に昆虫の姿を模したカテゴリーの航空機が次々に開発され、投入されていく。
以降、人類とタイタンの一進一退の戦いが続く。
・2072年9月20日
清華人民共和国、地上戦における複雑多用途に対応するために、ヒト型の空陸両用大型ロボットを開発。機動性の高さから市街地線で大きな戦果を上げる。以降各国がこれを模倣し、「第七世代」と呼ばれるヒト型航空機のカテゴリーが誕生。
・2073年2月2日
タイタンを地球上から駆逐するための最終戦に備え、国連軍を中心に、各国が協力して新型の戦闘機を作るための組織、「COAA」(consortium of advanced avionics)が立ち上がる。
・2073年8月13日
COAA、国連軍の諮問委員会に最終回答。
決戦兵器、「COAA project-FXXX comprehensive multi-role fighter prototype」(コアー プロジェクト・エフトリプルエックス コンプリヘンシブ マルチロールファイター プロトタイプ)、通称「試製第八世代戦闘機」の基礎概念が確立され、開発・製作が始まる。
・2074年1月2日
COAAから技術協力を受けたプロジェクト参加国、計8機の第八世代戦闘機を完成、ロールアウト。世界の総力と共に中央シベリアにて最終作戦開始。
第八世代戦闘機、圧倒的な戦闘能力により最終的には小破1、中破3、被撃墜1、の損害でタイタンを地球から駆逐することに成功。地球外生命対と人類との初めての戦争が終結する。
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