『徴兵』

やましん(テンパー)

『徴兵』

 『これは、ギャグ的、フィクションです。』





 ある、朝のことです。


 なんだか、軍服姿の人がふたり、やって来ました。


 『やましんだな。本日、陸軍に徴兵する。直ちに、同行しなさい。』


 『ふあ。なんれすか、それは。』


 『その、寝巻きはまずい。平服に着替えたまえ。あとは、通常の持ち物だけで良い。』


 『あの、ぼくは、たくさん、お薬が必要れす。』


 『不要だ。』


 『でも、飲まないと、すぐ、死ぬかも。あなた、それで、良いのかなあ。』


 『む、では、取り敢えず、もってきたまえ。軍医にみてもらう。さあ、はやく。』


 ひとりが付いてきて、ぼくが着替えるのを見つめています。


 なんだろう。逆らうと危なさそうだな。


 カバンの緊急サービスのボタンを、密かに押しました。


 『なんで、徴兵なんれすか? 聴いたことないなあ。ぼく、もう、60歳半ばだし。』



 『だまれ。今日から、日本は、かわったのだ。まだ、わからんやつには、まず、カツを入れる。はやく、済ませろ。』


 ぼくは、さりげなく、防犯用のひもを、引っ張りました。


 すると、床のカーペットがさっと動き、その男はひっくり返り、椅子のかどで、頭をぶっつけて、昏倒しました。


 『弱わ!』


 ぼくは、銃を奪い、使い方はわからないけど、二階に立てこもりました。


 『何事か?』


 と、件の二人が階段をかけ上がってくるので、また、別のスイッチを入れます。


 階段の踊り場から、大量のボールが転がり落ちて、ふたりは、見事に下まで転落です。


 『きさまあ。』


 と、ボス格らしきが、再度上がって来ようとしたとき、玄関に、警備員が駆けつけました。


 『きみたち、なんだあ。』


 不意をつかれたので、ちょっと、ひるんだところに、ぼくは、さらに警報ボタンを押します。


 近所じゅうに、響き渡る音楽が鳴りました。



   じゃじゃじゃじゃあ〰️〰️ん。


   じゃじゃじゃ、じゃあ〰️〰️〰️ん。



 なんだなんだ、と、近隣の人たちが出てきましたが、ふたりは、突然、銃を発砲したので、だれも動けません。


 『きさまらあ。ニュース見たかあ❗』


 『見たよ。さっき。』


 お向かいのあんちゃんが言いました。

 

 『でも、いま、速報がでて、クーデター起こした人たちは、全員、ムーリク・スイア星人に、拘束されたらしいよ。地球は、彼らに征服されたんだと。クーデター派は、見つけ次第、処刑らしいよ。』


 『へ? な、なんだ、それは。』


 間もなく、空からは、巨大な宇宙船が現れて、体長三メートルくらいの、蛇に近いような異星人が、大量に地上に、ワープみたいに、現れました。


 『へびへび、きみたち、すぐ、家に帰りなさいへび。でないと、消すね。』


 彼らの手の中にある、小さな玉から、白い光が飛びまして、庭木が消滅しました。


 みな、慌てて、自宅に飛び込みました。


 『あ、あの。…………』


 『いいよ、入りなさい。対策を考えましかね。』


 ぼくは、ふたりに言いました。




         🐍ボク,ソンナコトシナイ



 


 

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『徴兵』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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