一杯目① 町民は口が回る
やあ、店主。
昼間は良い天気だったね。
まあ、夜になって少し風が出てきたが、ご愛嬌というやつだろう。
今日の注文はなににするかって?
そうだな……。
じゃあ、いつもので頼むよ。それと、なにか酒を一杯もらおうか。
…………。
お、早速酒が出てきた。
それじゃあ…今日も一日、無事に過ごせたことに、乾杯!
ゴク、ゴク、ゴク……プパァ!
いやぁ〜、いつ飲んでもここの酒は美味いな! 疲れがふっ飛ぶよ!
え? 今日は随分疲れてるようだって?
参ったな…、店主にはお見通しか。
いやなに、今日の仕事も、幾分骨が折れた仕事でね。正直、疲れてこのまま寝てしまいそうなんだよ。
なんだって? そんなに疲れてるならベッドを貸してやろうかだって?
とても魅力的な提案ではあるが、遠慮させて頂くよ。
その代わりと言ってはなんだが、少し話を聞いてくれないか?
少し誰かに話したい気分でね。まあ、ただの愚痴だと思って、付き合ってくれないかい?
なに? 付き合ってやるから、もうひとつ何か注文しろって?
この、商売上手め!
仕方がない。じゃあ、なにか適当に作って出してくれ。
良い魚が入ったから、それならどうかって?
良いねぇ、じゃあ、それでお願いするよ。
さて、追加で注文したんだから、早速聞いてくれるかな?
そう、あれは昨日のことだったんだか………。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます