緑様っ!

ばたー

第1話 始まり

これは 遠い遠い未来の話…



「なぁなぁグリーン、新しい小説のアイデアあるか?」

「え?まぁ、ありますけど…」

「ふーん。ちょっ教えてよ?」

「フフ…わっかりましたぁっ!」

「あ、話す前に…どんな話なんだ?」

「えっとですねぇ…僕が実際に体験した話を、ちょっと盛ったりした話ですねぇ」

「ほぉーん。フィクションとノンフィクションの間って感じか?」

「まぁ…そうですね」

「ちょっと聞かせてくれないか?」

「…ああ、わかりましたよ」

「あ、今書いてる途中だったのか?もしかして、中断させちまったか?何かすまねぇな」

「いや、今は小説、書いてなかったですよ」

「え、じゃあ、何をしてたんだ?」

「ああ、ちょっと…昔の友達にGmailをしてました…」

「へぇ。お前、友達いるんだ」

「…そりゃ、一人くらいはいますよぉ」

「ていうか、小説はどうした?」

「ああ、何か依頼が面白くなかったから、断ったよ」

「お前、いつもいつもさぁ…そういうところだよ………。まぁ、いっか!で、話聞かせてくれない?」

「うん、わかった。小説風に言うね」

「お前、いつも小説風に話すじゃん?それ、すっごい聞きやすいんだよねぇ。こんな友達持って、最高~」

「ははは。ありがと。じゃ、話すから」

「うん、お願い」




 うん、今日もいい朝。そしてやっぱりpixiv最高ーっ!。(中の人がpixiv大好きなので影響受けてます。実際、ケッコーおもろいっすよ。)

!っと…そろそろ朝食だ。着替えとこ。今日は…。うん。この制服っぽい服にしよう…つっ!左目が、痛む…。これもやっぱり、”呪いカース”の仕業か…?いや、違う。大丈夫。”呪い”じゃない……つっ…やっぱり、”眼”を開くか?どっちの?

「緑様、」

「分かった」

5年くらいこの館の執事兼メイドとして働いてくれてる、(戦ったらすごい強い、戦車一台くらいは超ヨユーで倒せる、)苺が僕を呼ぶ声が聞こえた。朝食の用意ができたみたいだ。今日も僕の大好きなサンドイッチのようだ。さっそく食堂の大きなテーブルのたくさんあるイスの中の一つに座る。こんなに大きなテーブルの、こんなにたくさんのイスがある中で、僕一人だけがテーブルの隅っこの小さなイスにポツンと座る。その光景は、僕の心の中の「寂しい」という感情を、そのままアート作品にしたようだった。そんなことを考えながら、ボーっとしてたら、いつの間にか、サンドイッチが目の前に出されていた。全然気がつかなかった。

「いただきます」

お腹が空いていたので、勢いよくガブリとかみつく。

「!」

おいしい。おいしすぎる。あまりのおいしさに、自分の特徴であるアホ毛がピンピン反応する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ああ、さっきのサンドイッチはホンっトうまかった。

…ふう。……。

暇い。ああ、暇い。散歩でも行くか。

「イチ、ちょっと散歩」

「!…危険な未来が少し見えます。私もついていきましょう」

「ああ、分かった。でも、今日は一人で行きたいからさ、先に行かせて」

「わかりました。怪我のないように、お気をつけください」

「わかった!」

ここで少し苺の紹介。

<紅 苺>

・年齢不明。(20代くらいじゃね?)


・時を操ることができて、(時を止めたり、未来に  行ったり過去に行ったり)未来が見える。【未来予知】ってゆーヤツかな?でも、それも少しだけ。会  話だけ聞こえたり、姿だけ見えたり、ひどい時は未  来に起こる何かの【一部】が、断片的にチラッとだけ見える。


・すごい几帳面。時間厳守。何事も中途半端に終わら せることは絶対ない。中途半端な時間より、「ちょうどきっかりな時間」が好き。


・ものすごい強い。戦車一台でも足元にも及ばない。ってくらいの強さ。苺の強さを知らずに自ら戦いに挑んでくる奴もたまにいるけど、3秒きっかり経過したら地面に倒れる。これがいつものパターン。



こんな感じ。これが僕のメイド兼執事の、苺。あ、そうそう。僕は苺のことを、「イチゴ」と言わずに、「イチ」って言う。その方が言いやすいからね。そしてまだ小5の僕が、なぜ、この大きな館で執事と二人だけで暮らしているかって?それはね…



ー5年前(緑が6歳のとき)ー



「何でしょうねぇ、『見えた』って」


「さあねぇ、でも息子さんはまだ一年生なんでしょう?これからは執事さんと、あの大きな館で二人暮らしだなんて可哀想に」


「お母様もお早くにお亡くなりになられているんでしょう?息子さんもさぞ悲しいでしょうねぇ」


「でも、見てくださいよ?息子さんの、あの顔。少しも悲しんでなんていないように見えるわ」


「ホント血も涙もないような子ねぇ。大人になったらどんな子になるか」


「ホント、ホント。最近の子供ってば怖いわねぇ」


そんな言葉が聞こえてくるが、僕は、語尾にやたらと「お」をつける、オバサンたちの話に聞く耳を持たず、病院のベットの上できつそうに笑っていた、死ぬ間際の父さんの言葉の意味を考えていた。



「…見えたから…托す」

父さんは、そう言って僕の手を取り、自分の手を僕の手に重ね、僕の手を強く握った。その時ほんの一瞬、父の手が光って見えた。その言葉を最後に、父はあの世に逝った。本当に、あれは、何だったんだろう。


その後


「緑くん」

「ん…」

誰?…あ、渉叔父さんだ。…渉叔父さんは、僕の父さんの弟なんだ。だから、「伯父さん」じゃなくて「叔父さん」なんだ。あと、渉叔父さんは、いつも、僕の心を読んだかのように気持ちを理解してくれる、父さん以外で唯一の人。あと、「伯父さん」と「叔父さん」の、微妙なニュアンスの違いに気づいてくれる、唯一の人。

「キミみたいな、大変賢い子ならわかると思うけど、一応言っておくよ。兄ちゃ…キミのお父さんの遺言書に、」

「あ、渉叔父さん。『遺言書』は、自分の死後に残される家族、友人、知人など親しい人に向けて、自分の気持ちを伝える手紙の気持ちを書くもの。『遺書』は相続人の廃除、相続分の指定、遺贈などの権利変動を生じさせる目的で、一定の方式によってなされる単独行為を言うんだよ。だから、この場合に使うべきなのは『遺書』の方だよ。…東大卒の叔父さんでも、間違うことはあるんだね。以外だよ」

「あ、そうなんだ。やっぱり緑くんは賢いなぁ。で、その遺書に、『オレの館と秘書は、全て緑にやる。学校なんて、あの緑にはいらない。学校にだけは行かせるなあと、金は誰にもやらん。金は燃やせ。ついでに芋貯蔵庫から芋を持ってきて、焼き芋を作れ』みたいなことが書いてあってさぁ。ということで、緑君!」

父さん…そりゃ、僕は息子だから、父さんはどれくらい変人で、焼き芋が好きで、お金嫌いな大金持ちかはわかってたけどさ…そこまで変人だったとは…しかも、普通、館を未成年の息子に托すか?やっぱりおかしいよ、父さん。

「…で、僕が継ぐから、下見か何かに行くってことか」

正直言って、気乗りはしない。だって、まだ「論理哲学論考」が読み終わってないから…

「違う違う!下見とか行かないよ!今から行くのは!イモパ!」

「イモパ?あ、焼き芋パーティーのこと?」

「そうそう!兄さんが作った造語!」

「兄さんって、父さんのこと?」

「そうそう!さ、行くよ!」

そうだった。忘れてたけど、渉叔父さんも、なかなかの焼き芋好きだったな…

「あははー☆焼き芋楽しみだなー」

「( ;ㅿ; )」



そう、こんなことがあったよなぁ…あの時は、叔父さんにイモパに連れて行かれて、大変だったなぁ……あ、そう言えば、あんなことも…




次回へ続く ( ̄∀ ̄)


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