第7話
コロシアムには手の平サイズだったソウルメイトが一瞬で大きくなって二対のソウルメイトが対峙する、その生の姿にアタシは感激して声が出なかった。
だって、今までテレビの中、二次元内の出来事だった。それが、今は現実として起きている。そんなの感激するしかないじゃん!!
これはソウルメイトを避けてる場合じゃない!! アタシは二体のソウルメイトがどんな戦いをするか期待に胸を膨らませていた。
※第三者視点
「ふ~・・・・・・」
『マスター、久しぶりのバトルで緊張していますか?』
「まあね。ブリザード、君の方は?」
『万全でございます』
マフユは優しく自分のソウルメイト、ブリザードドラゴンに声をかける。
一年近くソウルメイトを離れていたが別にソウルメイトを嫌いになった訳ではない。バトルはしていなかったがブリザードドラゴンのメンテナンスは欠かさなかった。
ソウルメイトバトルは好きだ、だが、母が倒れた事実に目を背けるようにソウルメイト開発に取り組む父親が許せない、ただそれだけ。
「万全なら問題ないね。久しぶりのバトルだ、相手は世界大会二連覇の天上カケルさんだ」
『ふふ、腕が鳴りますね』
「スーハー・・・・・・。先手必勝!! 固有スキル発動!!
マフユが高らかに言い放つとブリザードドラゴンが口から銃口が現われ、そこから氷の弾丸が連射された。
※厚木ホノオ視点。
おおおお~!! 早くもブリザードドラゴンの固有スキルが見れるとは!!
「これは大変に素晴らしい~!! 雪野マフユのブリザードドラゴンの固有スキル!! 滅多に見られないのに!! 今日はラッキーデーです!!」
「そんなに凄いことなの?」
「雪野マフユは滅多やたらに固有スキルを使わないんですよ。使う場合は自身が強敵と見なした相手のみ!! 相手はあの天上カケル、使う事は想定していましたが早くもお目にかかれるのは大変運が良いことです!!」
「ふ~ん」
アタシと同じように興奮している桝ココミの説明にヒバナはつまらなそうに返す。
バトルよりバトラーの方が好きみたいだからね、しょうがないね。
結構な数の氷の弾丸がブレイブナイトに襲いかかるが。
背負っていたブレイブナイトの固有スキルの大剣で氷の弾丸を全て弾き返した。
「あれだけの量を・・・・・・?」
「凄い!! さすがチャンピオン!!」
「おお~」
チャンピオン、カケルの実力にさすがのヒバナも感激しているようだ。
これが世界チャンピオンの実力!!
弾かれた氷の弾丸は全て、ブリザードドラゴンへと弾き返される。
けど、防御用スキルを発動し、難なく避けると今度は両腕がマシンガンとなりブレイブナイトに向けてマシンガンを発射させた。
だが、それもブレイブナイトは大剣で弾き返す。でも、今度は弾き返しながらブリザードドラゴンへと近づいて。
ノーガード状態のブリザードドラゴンに大剣で一太刀を与えた。
強烈な一撃にブリザードドラゴンは蹌踉めくが体制を立て直そうする。その隙を狙って、また一太刀!!
この攻撃でブリザードドラゴンのHPは0。ピー!! という音と共にブリザードドラゴンは倒れ、動かなくなった。
『ブリザードドラゴン、HP0!! この勝負、天上カケルの勝利!!!!!!』
──きゃあ~♡ カケル様~♡
コロシアム周囲から甲高い黄色い声が飛ぶ。
勝者の天上カケルが微笑みながら、観客達に手を振ると一際高い声が上がる。遠くに居るのに耳が痛い。
それにしても、バトルは凄かったな~!! アタシもいつか天上カケルと・・・・・・。冷静になれ厚木ホノオ!! 主人公じゃないアタシが戦えるわけないじゃん!!
生のバトルを見て熱くなりすぎたな、ちょっと反省。
でも、アタシも熱くなるようなバトルやりたいな~。
と、自分らしくない事を考えるのは興奮にせいにしておこう。
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