第6話
「何故、僕を?」
コロシアム広場に移動する最中、マフユはカケルに試合を、データ収集の為の試合相手に脅してまで選んだことを問うとカケルは笑みを深めた。
「君、この間、マオと買い物に行ったそうだね。二人っきりで」
最後、二人っきりの部分を強く言うカケルにマフユは口角をヒクヒクとさせる。
カケルの言うマオこと
このことからカケルは嫌がらせの意味を込めてマフユを相手に選んだのだ。その事実にマフユは怒りを通り越して呆れるしかなかった。
「別に二人っきりではありませんよ。あの後、叔母も合流してハナにプレゼントを買いに行きました」
「でも、叔母さんが合流するまでは二人っきりだったよね?」
キラキラとした笑顔でそう言われてしまえばマフユは何も言えなかった、いや、言ったとしてもああ言えばこう言う状態になるだけだと悟った。
――この人は苦手だ。
マフユはカケルのこういった所が苦手だと改めて認識するのであった。
「此処ですよ~! 凄く見晴らしが良いでしょう!!」
桝ココミに案内されやってきた場所はコロシアム広場の中央にある巨大コロシアム全体が見れる場所だった。
確かに見晴らしは良いけど・・・・・・。
「カケルさんとマフユさんが小さい」
ヒバナの言葉に桝ココミは申し訳なさそうな顔をした。
桝ココミはバトラーよりソウルメイト、バトルが好きなキャラだ。戦うソウルメイトが見える場所を選んだのは想像できる。
ヒバナはソウルメイトよりも今回は大ファンである天上カケルと雪野マフユを見たかったみたい。
米粒程度ではないけど確かに小さい。でも、それでも、二人がイケメンだという事がよく解る!!!!!!
くっそ~!! 本当に顔が良いな!! これだからイケメンは!!
『これより天上カケルVS雪野マフユの特別試合を始める!!』
――キャア~♡ 二人とも頑張って~♡
このロボセンターの最高責任者である江良イゾウ博士が始まりを告げると集まっていた女性達が一斉に黄色い声を上げた。
こんな遠くまで聞こえる声に二人の人気っぷりが窺える。
本来、あの場で戦うのは乱入した主人公と雪野マフユなんだけど、アタシは主人公じゃないし、天上カケルと戦うのは雪野マフユだったからこれが正しい流れなんだよね。
まあ、アタシは主人公と同じ名前で同じ見た目だけど主人公じゃないから傍観者に徹しよう。
『今回はバトル形式は通常バトル!! スキルは無限交換制!! 勝敗はどちらかのHP1000を0にした方が勝ち、また制限時間一時間以内にどちらもHPが0にならなかった場合はHPが高い方を勝者とする!!』
「通常バトル? 無限交換制?」
「ソウルメイトはソウルメイト同士を戦わせるバトル形式と用意されたスキルで点数を稼いで競う競技形式、二つの試合形式があるんですよ。
今回は通常の一対一のバトル、それに加え、スキルを何回も入れ替えても良い、無限交換制で戦うって事です」
ヒバナの疑問に桝ココミがスラスラと説明してくれる。非常にありがたい。
桝ココミはいわゆる説明キャラでヒバナは初心者の為の質問キャラなんだよね。
アニメ版のヒバナは兄である主人公がソウルメイトに夢中な分、ソウルメイトに余り興味がない子なんだけど、アタシが避けてた分、ソウルメイトが大好きな子なんだよね。どうしてこうなった?
『お互いコーナーへ!! ソウルリンクシステム発動!!』
丸い円状の機械に二人が乗ると光り出し。
「「シンクロダイブ!!」」
二人同時にそう叫ぶとコロシアムに巨大な姿になったソウルメイトが出現する。
蒼い龍をモチーフにした雪野マフユのソウルメイト、ブリザードドラゴン。
勇者をモチーフにした白い騎士を思わせる天上カケルのソウルメイト、ブレイブナイト。
うっわ~。生で見ると迫力が違う!!
これが本物の威力!!
『それではバトル開始!!!!!!』
江良博士の合図と共に試合開始を告げるベルが鳴った。
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