第三章 彼女のつぶやき
「だって、私・・・ブスだもん・・・」
園田さんのつぶやきに、僕はどうフォローしていいか分からず、オロオロしていた。
「背丈だって大きい方だし、野暮ったいし、全然、可愛くないし・・・」
否定オンリーのコメントに何とか入りこめたかったけど、その縄跳びは高速すぎて入り込めなかった。
「いやんなっちゃった・・・・」
か細い声が、絶妙なソプラノで僕の心に染みわたる。
断じて、断じて、そんなことはない!
僕は叫びたかった。
でも、三年間彼女いない僕に言えるはずもなかった。
僕はうなだれる園田さんの白いうなじを、ジッと見つめるしかできなかった。
そう、そこにはヘタレな僕しか存在しなかったのだ。
「き、君は素敵な女性さ・・・」
何て、ドラマのようなセリフが吐くことは不可能なことは分かっている。
そんなことは。
分かり切っていることだったんだ。
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