タトゥー

連喜

第1話 お気に入りの女優

 日本人でタトゥーを入れてる人はわずか2%だそうだ。俺はサラリーマンだから、身近にタトゥーを入れている人はいない。見たらちょっとびっくりしてしまうと思う。会社勤めでタトゥーをしてるのがばれたら、かなりのイメージダウンだ。日本人は未だにタトゥーに偏見があると言わざるを得ない。


 だからと言って、俺は外人のタトゥーを見て、自分もやってみたいなんて思っているわけじゃない。ベッカムとかジャスティン・ビーバーなんかのタトゥーはやり過ぎだ。彼らはイケメンだし、若いうちは見栄えがするかもしれないけど、年を取ると肌がたるんでくるし、もともとのデザインを維持できないだろう。


 女性の場合も同様。海外の女優なんかがタトゥーを入れると、役が限定されないか心配になる。タトゥーの柄でその人を覚えていることが結構あるからだ。細かいのがたくさん入っていたら、一個一個が目立たないだろうけど、背中に一種類だけなんかだと記憶に残ってしまう。それがお気に入りの女優だったりすると、タトゥーでその人とわかる。何の話をしてるかと思うかもしれないけど、海外のポルノ女優の話しだ。


 男なら誰しも好きな女優がいると思うけど、俺もある海外の女優が大好きで、その人の出演作をよく見ていた。その人はツイッターもやってて、フォローもしていた。時々、「今からウェブでマンツーマンでどう?」・・・というツイートがあったりした。もちろん有料だろうけど、勇気がなくてなかなかコンタクトできなかった。俺は英語が話せるけど、それでもお気に入りの女優と直接話すのは恥ずかしい。何年も迷っていたら、その人が急にツイッターをやめてしまったんだ。俺は本当にショックだった。そのうち、思い切ってコンタクトを取ってみたいと思っていたから、もっと早く思い切ればよかったとずっと後悔していた。



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