真夏の合理性への応援コメント
森緒 源です。
興味深く拝読しました。
数学を愛する高校生の男子と、ミステリアスな少女が、川で出会い、会話をかわすようになる。
ただそれだけのドラマの中で、二人の関係が徐々に親しくなり、気持ちが通うようになる様子が微笑ましく描かれています。
主人公の男の子は、数学を愛する理数系脳ゆえ、科学で立証出来ぬもの (幽霊)は存在を認めない考えを主張します。
しかし、相手の少女の反応をおもんばかり、だんだんと態度を軟化させて行くところが面白いですね。
数学という科目は常に解答が1つにして絶対ですから、それを愛する者は、当然他の答えを認めませんよね。だってそれはすなわち不正解ですからね。
私は個人的に数学が学生時代から苦手な文系人間なので、この作品はちょっと違う角度からの興味を感じながら拝読しました。
数学は全ての世界を立証するものではないと考えている人も多いと思うんですよ。
たとえば、人は男と女しかいない。…それは間違いないことです。
しかし、最近は性同一性障害の人の存在も認められ、人権を得られるようになって来ました。
必ずしも科学的ではないけど、男と女という二者択一で簡単に割り切れぬ人もいることが認められた訳ですね。
幽霊は、実際に見える人や存在を感じる人が多数いるにも関わらず、科学的に立証出来ぬという理由だけで未だに存在は否定されています。
さらに言えば、性同一性障害を訴える人と同様に、幽霊もその存在を訴え、生きている人との会話を望んでいるんですよね。
生きている人間は見えるものしか信じませんが、逆に言えば、見ればその存在を認める訳ですからね。
そんなことをこの作品を拝読しながら思いました。面白かったです。
最後に、不躾ながら申し上げますが、作品タイトルはちょっと考えた方が良いのでは?
最初からネタバレのタイトルでは作品の楽しさがやや削がれる気がします。
では。
作者からの返信
私は多様性を認めてほしいと思い、この小説を書きました!性同一性障害を例に挙げた感想はとても参考になりました!ところでタイトルですが、私もおっしゃる通りだと思います!なので変更しました!この度は貴重はご意見ありがとうございます!
真夏の合理性への応援コメント
幽霊の存在証明。Q. E. D. というところですね。
最初は、主人公(「私」)の想定内になかった幽霊という存在を、彼女が証明してみせた後、彼の世界がどう変わるのか、見てみたいという気持ちになりました。