歪む世界は叩けば直る

てーよー

第1章 箱庭リライト


登場人物


佐藤 ユノ

父親がDV気質

母親は父に依存している為、家を出るなどは無い ユノをとても愛しているが伝わりにくい(下手)

悪魔

父 昭和の職人気質

母 心がとても弱い


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裏劇用


佐藤 ユノ

悪魔


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いい加減しろ!(バチン!)


ごめんなさい!ごめんなさい!


天気予報を見れば雨が降ることくらいわかるだろ!雨に降られて着る服ありませんじゃ無いんだよ! こんなこともわからないのか?


ごめんなさい…


父 ユノもそうだ。 ちょっと教えてあげるとか、母親任せにしてるからこんなことになるんじゃないのか?


ユノ


そんなんだから成績だって上がらないし先生からの評価だって良くないんだよ。

漫画やらアニメやらにうつつを抜かすくらいならちゃんと勉強して立派な大人になろうとは思わないのか?


ユノ


返事くらいしろ!…はぁ…もういい…。

今日は寝る。 洗濯物はちゃんと乾かしておけよ!


…はい…


ユノ

そのままくたばれクソ親父(小声)


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ユノ

ー私の家の毎日はいつもこんな感じなのだ。

いつも要領の悪い母が何かやらかして父が怒り、私もとばっちりを受ける。

暴力を振るわれないだけましなのだ。まぁ…母は…


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ユノ

学校もめんどくさいな…

でも早起きしちゃったからなぁ…

まぁ、家にいてもいい気分じゃないし寄り道でもしてから学校行こうかな。


今日はいつもより早いのね。朝ごはん食べる?


ユノ

うん。いただきます。


もぐもぐもぐもぐ


ユノ

ご馳走様。

じゃあ、行ってくるね。


ユノ

ー歯は磨いた。教科書やら体操服やらも準備した。いつもの日々。つまらない日々。


ユノ

こんなところに祠(ほこら)なんてあったかしら。 随分寂れちゃって。


悪魔

お前…お前…聞こえるか?


ユノ

誰?


悪魔

口にしなくても大丈夫だ。まぁ、君の場合は何をしたって変わらないだろうがな。

祠の前で棒立ちしてても、ボソボソ話しててもな。ククク


ユノ

失礼ね!まぁ、否定できないけど。

何か用でもあるの?


悪魔

お前はこの状況を異常だと思わないのか?

俺の姿は見えない。声だけ聞こえる。

普通は異常だと思うはずだぜ?


ユノ

私はこの毎日がどうしようもなくつまらないのよ。同じ時間に起きて決まったカリキュラムをこなして同じ時間に帰って違う理由で怒られる。バカバカしく思えるのよ。


悪魔

なるほどね。お前…満足してないのか。

この世界を面白くする願い、叶えてやろうか?


ユノ

できるの!?やって!


悪魔

急に幼いね!

オホン。まぁいい。これは契約だ。対価は差し出せるか?


ユノ

対価?なにか欲しいものでもあるの?


悪魔

俺はまだまだ力が弱い。だから、俺がこの世界で存在できるように書き換えてくれよ。


ユノ

そんなんでいいの?寿命も命も要らないなんて良心的じゃない!いいわ!叶えてあげる。


悪魔

それは古く強い悪魔さ。今どきはそんな力を持ったら対策されるのがわかってる奴が多い。

そんなことより自分だけが存在できるように細々と何かに取り付いて生きていく方が賢いってみんなわかってるのさ。


悪魔

それじゃ、始めるぜ。

〜〜〜〜(呪文はアドリブで)


ユノ

何も起こらないじゃない!


悪魔

起こったさ。願いをひとつ、強く頭の中な描くんだ。


ユノ

ー私と同じ''強い願い''を持つ人が、その願いを叶えられる''世界''に描き変われ!


ユノ

…!?


ユノN

世界が暗くなる。夜とは違う漆黒。そして眩い光が…えっ…光!?まぶs…


ユノ

なによ。思わせぶりな演出の割に何も起こってないじゃない!空くらい飛ばせなさいよ!


ユノN

背中から服が破ける音がした。何事かと思って後ろを振り返ると私の影は見慣れない形になっていた。羽…目立っちゃうじゃないの!!!!!!なにこれぇ?


ユノ

なにこれぇ!!!!!!


ユノ

(思わず口に出ちゃったわね。まぁ、こんな格好で学校なんか行けないし、そんな気分でもないわ。いっその事遊んじゃおうかしら)


悪魔

楽しんでいるな。


ユノ

最高よ!素晴らしいわ!あなたはどうするの?


悪魔

さっきも言った通り、誰にも会わない場所で細々と生きていく。この素晴らしい世界でな。


ユノ

そういえば、あなたの名前は?


悪魔

俺に名前はない。お前ら人間が俺たちを表す言葉で1番近いのは…まぁ、悪魔だな


ユノ

悪魔? こんな素敵なチカラを与えてくれたのに?


悪魔

存分に楽しむんだな。


ーーーーーーーーーーーーーーー

ユノ

あはは!あははははは!素敵!あまりに素敵!!!空を飛ぶって素晴らしいわ!


ユノ

(素晴らしいわ。この羽もすぐにしまえるし、破れた服もすぐ直る。)


ユノ

(人も…思い通りなのかしら…)


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ユノ

(私は思いつく限りの事をしたわ。

前から気に入らなかった人を豚に変えたり、先生の顔をニキビだらけにしたり。

学校だって私が願えばきっと爆発させられるわ!)


ユノ

(クソ親父もきっと。)


ーーーーーーーーーーーーーーー

帰ったぞ。飯だ。


おかえりなさい。出来てるわ。すぐ温めるわね。


ユノ

おい、クソ親父。


なんだ?その態度は。


ユノ

…その態度?あんた人のこと言えたわけ?

人に暴力振るって、怒鳴って、自分勝手にしててそんなこと言うわけ?


誰がお前らを養ってると思ってるんだ!


やめなさい!ユノ!お願いだから!

(頭を抱えて)あぁ…あぁ…こんな育て方をしてごめんなさい…ごめんなさい…


ユノ

お母さんももっと自分を持ってよ!

はぁ…もういいわ。もう、顔も見たくない。


ユノN

私は願った。父が、母が、そしてこの家が跡形もなく''潰れる''ように。


ユノN

潰れた家を、父を、母を見て私はとても清々した気分になった。そして自分でも驚くくらい晴れやかな気分と共にこの場を去った。

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